Sunday, December 15, 2019

量子暗号で電子カルテ保管 震災に備え10年計画で整備へ - SankeiBiz

 超高速の量子コンピューターでも解読できない安全な通信網を使って電子カルテを遠隔地に保管しておき、災害時に迅速な医療につなげる世界初の取り組みが始まった。情報通信研究機構などが南海トラフ地震を想定した実証実験に成功した。10年後をめどに全国の主要都市を結ぶネットワークの構築を目指す。

 東日本大震災では沿岸部の医療機関が倒壊し、多くの医療データが失われた。南海トラフ地震で同様の事態を避けるため、平時から同じデータを他の場所にも分散して保管し、被災時に利用できるようにする技術が求められている。

 医療データは個人情報なので外部から読まれないように暗号化されているが、超高速で計算できる量子コンピューターが開発されると、解読される恐れがある。このため情報通信研究機構は大学や企業などと共同で、量子コンピューターでも解読が難しい「耐量子」と呼ばれる新技術を使って実験を行った。

 この新技術を導入した通信網を使って、高知医療センターの1万人分の電子カルテの模擬データを大阪、名古屋、東京に分散して保管。南海トラフ地震で高知との通信網が寸断されたと想定し、3都市に保管していたデータを都内のサーバーに集めて復元した後、衛星回線で高知に送った。

 高知側の端末で患者の情報を検索すると、わずか9秒以内に復元データが届き、迅速な対応が必要な災害医療の現場で利用可能なことを実証した。医師は復元データから患者の年齢や投薬記録、アレルギーなどの情報を得て診療できる。

 今後は量子コンピューターで解読されないことがより確かな「量子暗号」を使った通信網を構築し、こうした体制を全国規模で整えたいとしている。同機構の佐々木雅英主管研究員は「金融や製造業など産業界の重要データも守るインフラにしたい」と話す。

 量子暗号は次世代の情報通信に欠かせない重要な技術で、欧米や中国が国を挙げて開発を進めている。

 ■量子暗号 どんな計算機でも解読することが不可能な暗号技術。現在使われている暗号は超高速で計算できる量子コンピューターで解読される可能性があるため、安全保障や医療など機密性の高い情報を扱う分野で導入が求められている。外部から情報を盗もうとすると状態が変化する性質がある光子(光の粒)を暗号に利用するため、漏洩(ろうえい)を検知でき、安全性が保てる。

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December 15, 2019 at 05:33PM
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