Friday, June 11, 2021

10年前から保管 中日ファンが掲げたボードに楽天感動 - 朝日新聞デジタル

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 ブルーの「がんばろう東北」の応援ボードが、仙台の球場に登場した。

 6月8~10日に東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地で行われた中日ドラゴンズとの3連戦での一幕だ。ボードの持ち主は中日ファン。対戦相手だが、東北の震災復興を願うメッセージを一丸となって送った。

 3連戦の七回表。ラッキーセブンを迎えた中日の応援歌が球場に流れると、右翼席に座る中日ファンが約50枚の青い「がんばろう東北」ボードを一斉に掲げた。

 この様子が球場の大型ビジョンで映し出されると、楽天ファンも含めて球場中から大きな拍手が湧き起こり、しばらくの間、鳴りやまなかった。このボードは3連戦全てで掲げられ、試合中継でも流れたため、SNSでも「感動した」「涙が出そう」と話題になった。

 実は、このボードは10年前のもの。楽天球団が東日本大震災があった2011年の交流戦で、仙台の本拠地で行われた試合前に、来場者向けとして無料配布していた応援グッズだ。

 表面は楽天の球団カラーであるクリムゾンレッドだが、裏面はセ・リーグ6球団ごとに色が異なる。当時の中日ファンが持ち帰り、毎年のように楽天との交流戦、また3月11日の前後にあったオープン戦などで掲げてきた。

 10年前から自宅で保管し続けているのが名古屋市在住の北尾瑛介さん。「折れないように厚手のカバンの中に入れてしまっています」。11年の交流戦の後、余っていたボード約150枚をもらった。

 楽天にとって、震災後の最初のオープン戦の相手が中日だった。

 北尾さんは「東北に縁もゆかりもない自分だけど、いろいろと考えさせられた」。そこで11年の交流戦後も、ボードを活用できないかと考えた。個人でボードを持っている人はいたが、14年ごろになって、北尾さんら有志でまとまって掲げるようになったという。

 今回の3連戦。球場にボードを持参した中日ファンの小島真由美さんは「3年ぶりの仙台での交流戦。震災10年の節目でもあるし、絶対にボードを出したいと思っていた」。

 故・星野仙一さんの大ファン。さらに鉄平(現楽天コーチ)が中日から楽天に移籍して以降、楽天も応援する球団の一つだ。球団に事前許可を取り、北尾さんから預かったボードを球場にいたファンに配った。

 今年はコロナ禍で入場制限もあり人数が少なかったため、ボードは50枚ほど。小島さんは精いっぱいの応援の気持ちを込めてボードを掲げた。すると試合後、「ありがとう」と涙ぐんで声をかけにきた楽天ファンが多数いたという。

 自宅から試合を観戦し、反響を知った北尾さんは「おそらく震災10年という節目で話題になったのかも。それよりも楽天球団さんが、球場の大型ビジョンで『中日ファンの皆様、ありがとうございました』と映したのを見て、なんてすばらしい球団なんだと感動した」。

 小島さんは震災後の被災地を訪れたこともあった。東北は旅行でも来る大好きな場所だ。「球場全体から拍手をもらい、恐れ多いほどです。東北の方の温かさや優しさを肌で感じ、私も感動しました」と喜んだ。(室田賢)

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