作成データ量と保存データ量の差が拡大、コストとデータ管理の複雑さが原因
従来の集中管理型アーキテクチャーからIT 4.0、つまり、分散型アーキテクチャーへのシフトが進み、複数のパブリッククラウド、プライベートクラウド、エッジクラウドにデータストレージを配置する分散型の企業が多くなっている。「データ生成場所に近いエッジでのリアルタイムの処理を必要とするデータが大幅に増えており、そのデータ生成量は25年までには175ZBに達すると見込まれている。この状況は企業にとってマネタイズのチャンスだが、作成されるデータ量と保存されるデータ量の差が拡大しており、実際、保存されているデータはわずか9.7%に過ぎない(※IDCとSeagateの調査結果による)」と営業本部の安河内智本部長は解説する。
データエコノミーで成功をするために企業に必要なことは、データを取得し、保存し、安全に守り、最適化して分析し、そしてマネタイズにつなげていくことだ。だが、企業がデータの持つ可能性をエクサバイト規模で引き出すためには、「ストレージ層において大量データの保存にかかるコストとデータ管理の複雑さという二つの課題を克服する必要がある」と安河内本部長は指摘する。それが作成データ量と保存データ量の差の原因にもなっているのだ。
大規模データの保存、管理を低コストで実現するSeagateの先進技術
データの持つ可能性をエクサバイト規模で引き出すという企業のニーズに対し、創業40年以来ストレージ技術の進歩を担ってきたSeagateでは、テクノロジー業界のリーディングカンパニーとして、最新技術を提供している。 まず、エクサバイト規模への対応では、次世代HDD技術とされ記録密度を大幅に向上させる「HAMR(熱アシスト磁気記録)テクノロジー」搭載する製品を提供予定で、「1台のHDDで30~40TBの容量を実現できるようになり、ストレージインフラのTCOも劇的に削減できる」と営業本部営業技術部の岩田太郎主幹技師は語る。
一方、大容量化に伴う遅延(レイテンシー)問題に対しては、二つの独立したアクチュエータを備えたHDDにより、アクセス性能を倍速化するマルチアクチュエータ技術(MACH.2)を提供。IOPSの拡張を可能とし、SLAの維持や高可用性にも寄与する。Seagateは17年後半にいち早くMACH.2を導入した製品を市場に投入している。
TCOの削減では、ヘリウム充填したHDDが消費電力と重量を削減し、TCO削減に貢献する。また、Seagate製品は共通のスケーラブル・プラットフォームとして提供されるため、データ量の拡大に対しても、既存のストレージ環境に影響を及ぼさずに拡張し、運用していくことができる。
「Seagateは、RAIDコントローラを内製化しているので、他のストレージメーカーと比較して倍くらいのコストメリットを提供できる」と、営業本部営業技術部の津村一銘主幹技師は話す。
また、製品には「Seagate Secure」による盤石なセキュリティ機能が組み込まれている。ファームウェアには、STFPと高度な管理者アクセス・コントロール機能の両方を搭載、自己暗号化ドライブが製品を破棄する際にも万全のセキュリティ体制を実現する。「特許取得のSeagate ADAPTデータ保護技術は、従来のRAIDソリューションと比べてリビルド時間を95%と大幅に短縮ができる」と津村主幹技師はメリットを語る。
システム全体の設計から構築までを完結するSeagateのソリューション
では、実際に最新技術を搭載したSeagateのストレージ製品を導入し、大きな成果を上げている企業の事例を紹介しよう。 インフラ、ストレージおよびデータの保護製品を提供するNexstorは、顧客のAI活用などのアプリケーションから生成させる膨大なデータをうまく管理できず悩んでいた。その課題を解決すべくSeagateと連携して、84台のドライブを搭載する「Exos X 5U84」など拡張性の高いモジュール式製品を導入。これにより200テラバイトから600テラバイトまでの大きな振れ幅を持つユーザーのデータ要件に対応できるようになるなど、事業内容を拡大することに成功している。
また、ある保険会社では、ビジネスの急成長でコールセンターの記録を保存・整理する能力がひっ迫。加えて、音声録音を他の保管場所に手動で移動する作業が大きな負担になっていた。その課題を解消するため七つの「Exos X 5U84」システムと四つの「Nytro X 2U24」オールフラッシュアレイを活用してNASファイルシステムを構築。これにより、すべての通話録音を一元化されたスケーラブルなストレージシステムに収納でき、容易にアクセスできるようになった。また、システム管理に費やしていた時間を、顧客対応やサービスの向上に充てることも可能になった。
「両社ともにSeagateを選択した理由としてあげるのが、高信頼性で高いコストパフォーマンス。全体のTCOを抑えながら、高い目標を達成している」と岩田主幹技師は指摘。安河内本部長は、「Seagateは、ストレージシステムを提供する単なるHDDメーカーではない」と強調する。
Seagateは、年間400エクサバイト相当のストレージ製品を販売し、世界中で多くのデータを保存している。40年以上の歴史の中で、世界のOEM、大手クラウドサービスプロバイダーに技術的な専門知識を提供。業界屈指の大容量とファームウェア、マルチコア機能により、コストパフォーマンスに優れたストレージソリューションを提供している。システム全体の設計から構築までを自社で完結する唯一の企業向けストレージメーカーとして、パートナーとの技術統合や互換性が実現できるのだ。
「今年の目標は、日本市場の端までSeagate製ストレージソリューションの認知度を行き渡らせること。さらに、エッジ、クラウド、DC(データセンター)において、エントリークラスから大容量のミッションクリティカル用途まで、あらゆるデータ活用のプラットフォームを担うことがSeagateのミッション」と安河内本部長は呼び掛ける。
からの記事と詳細 ( 日本シーゲイト、IT4.0時代のストレージニーズに応えるSeagateの先進テクノロジー - 週刊BCN+ )
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