そんなことあるの?と思いきや、議論百出。 15年くらい前、我々がクラウド上に持ってるデータってメールとその添付ファイルくらいで、ストレージサービスがあっても容量は100MBくらいしかありませんでした。でもその後ストレージがどんどん安くなって無料で使える容量も増え、巨大な写真とか動画みたいな重いデータも平気でクラウドに載せられるようになり、企業もいろんなデータをクラウドで管理するようになって、クラウド上のデータ量はものすごい勢いで膨張してきました。でもリアルな世界でゴミの埋立地が足りなくなっているみたいに、デジタルなストレージにも限界が来て、いつか我々の使えるスペースがなくなることがあるんでしょうか? 専門家に聞いてみました。
まず「我々」とは誰/何なのか
フランス国立科学研究センターの准研究教授でCentre for Internet and Societyの副ディレクター、Francesca Musiani氏は、統治ツールとしてのインターネットやインフラについて研究しています。そんな立場から、「我々のクラウドストレージが足りなくなるか?」という問いに答える前に、その問いを明確化することをMusiani氏は提案します。 「我々のクラウドスペースがなくなるか?」に答えるには、まず「我々」とは誰/何なのか、特定してみるといいかもしれません。 もし「我々」が地球上の人類ということなら、「我々」のスペースはなくならない可能性が高いです。これまで歴史は、保存すべきデータの量が増えるにつれて(実際とくに過去10年、膨大に増えました)、ストレージシステムの容量と効率を向上させ最適化してきました。エンジニアやテクニカルオペレーターの中での全体的コンセンサスでは、ほぼあらゆる現実的な目的で、技術的経済的要因により、予見できる将来においてストレージ空間が枯渇することはないと考えているようです(より予見しにくい将来に関しては、原子・量子コンピューティングといった話をしています)。 でも「我々」が特定のIT企業やそのユーザーを指すとしたら、その答えはやや複雑です。ストレージスペースを見つけて配分することは非常に具体的かつ物理的なインフラの問題で、大手テック企業は他のプレイヤーよりもストレージの量・質を腕ずくで増強しやすい立場にあります。エンジニアのBen Podgursky氏が言ったように、「YouTubeはディスクスペースのコストに関してムーアの法則が有効である限り、猫動画をかき集められる」のです。これは引いてはデジタル生態系の不平等を加速させるかも、というか今すでにそうなのかもしれません。でもムーアの法則は、これからも有効なんでしょうか? だとしたらいつまで? 大手ネット企業もどこかの時点で選択を迫られる可能性があります。 分散型ストレージはどうなんでしょうか? ストレージ能力があり余るかに見えるこの時代でも、それが持続可能で穏当なやり方でしょうか? ブロックチェーンは、中央集権型ストレージに比べると有利な点が多いのですが、それが穏当かというと疑問です。ブロックチェーンはすべてのノードがすべてのブロックを保存することで冗長化されていますが、それがブロックチェーン肥大化を招いているからです。より「古風」なピア・トゥ・ピアをベースとする(空いているストレージスペースとCPU能力を活用する)方法としては、残念ながら短命に終わったWualaというサービスがあり、これは興味深い試みでした。彼らは、力ずくで新たなデータセンターを作ることなく、未来のストレージを考える方法を示そうとしたのです。 最後に、CiscoのエンジニアのJ. Metz氏が指摘するように、「データを保存する場所を見つけること」より厄介な問題は、「データを見つけること」かもしれません。データ量が増え、ストレージも肥大化する中で、必要な情報を必要なときに入手し管理するための道具は、そのペースについていけるんでしょうか?
からの記事と詳細 ( クラウドストレージが枯渇ってありうる? 専門家に聞いてみた(ギズモード・ジャパン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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