ストレージの一種である「HDD」は、容量増大の進化や読み書き速度のパフォーマンスといった点では「SSD」の勢いに押されているが、需要を完全に失ってしまったわけではない。いまだに使われ続けるHDDにはどのような特徴があるのか。その構造や歴史を含めて、SSDとの違いをまとめる。
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SSDとHDDの今後を左右する動向
HDDがSSDと大きく異なる点は、内部の構造にある。HDDは物理的に動く部品を内部に搭載している。HDDを象徴する主な部品は次の2つだ。
- プラッタ(磁気ディスク)
- これはデータを記録しておく部品であり、円盤の形をしている。複数枚のプラッタを搭載するのが一般的。
- 磁気ヘッド
- データをプラッタから読み取ったり、データを書き込んだりする。
これ以外にも、磁気ヘッドを制御するアクチュエーターといった部品もある。回転式の円盤と、その近くでデータを読み書きする磁気ヘッドによる機械的な仕組みがHDDの特徴だ。こうした仕組みがあることが、SSDに比べた場合のHDDの故障しやすさにつながっていると一般的には考えられている。
SSDは記録媒体として磁気ディスクではなくNAND型フラッシュメモリを採用しており、HDDのような機械的に動く部品を搭載していない。
HDDは1950年代からあり、歴史で比較するとSSDよりずっと古い技術だ。SSDに搭載されているNAND型フラッシュメモリを、東芝が発明したのは1987年のことだった。
SSDと同様で、HDDもデータセンターのラックマウント型のストレージアレイに集約し、複数のHDDの容量を1つにプールして利用できる。HDDはSSDよりも歴史が長いことからレガシーなストレージ技術だと見なされがちだ。だが2024年現在、容量単価の安さの点ではSSDよりもHDDに分があり、HDDベースのストレージアレイはSSDのフラッシュストレージアレイに劣らず広く使われている。
次回は、SSDのデータ読み書きの高速性を象徴する技術としてインタフェース規格を解説する。
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