石巻市が北上川河口部右岸に整備した「市南浜マリーナ」が30日、全面運用を始めた。小型船舶を陸上に保管する施設で、東日本大震災の津波で川に係留されていた船が市街地に流れ込み、被害が拡大したことを教訓にした。不法係留船を防ぐ受け皿となり、マリンレジャーの拠点としても活用する。
公共施設としては県内で初めて。プレジャーボートやヨットなど130隻分の保管スペースを河川堤防の内陸側に備える。固定式クレーンで船を水面から陸に揚げ、台車で運ぶ。一時的な利用者向けに浮桟橋も配置し、30隻を係留できる。
市によると、河口近くにはこれまで係留施設がなかった。震災時は300隻以上の不法係留船があり、津波で市街地に流されて建物被害などが広がった。震災後に激減したが再び増加し、国土交通省北上川下流河川事務所の昨年の調査では約40隻が確認された。
市は2015年度、整備事業に着手。今年5月から暫定的に水面係留を受け付けていた。現在は約10隻が登録。今後、陸上保管を本格化させ、船舶所有者に積極的な利用を呼び掛ける。
修理を担う作業棟やクラブハウスも備える。施設は指定管理者の野村モータース(石巻市不動町2丁目)が運営。ボートの試乗会なども企画し、観光や自然学習の場としても生かす。
完成を祝う開港式が現地であり、関係者ら約20人が出席した。斎藤正美市長は「不法係留の減少や環境美化につながる。海洋レジャーの基地としても全国に発信したい」と語った。
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