著者:
Seagate Technologyインフォメーション・テクノロジー担当上席副社長 グレース・リュウ
データの活用と収集の新しい方法
現在、ビジネスにおいてデータの保存および管理を改善するための新たなアプローチが必要であることは、明らかになっています。デジタルトランスフォーメーション(DX)の促進に加えて、データからより多くの価値を積極的に得ることも求められています。データの保存や管理、保護、評価は業界を問わず重要なビジネスにおける要件となっており、昨今のリモート環境においてはなおさら顕著です。企業間でクラウドの導入が進んでいることから、この傾向はしばらく続くと予想されます。企業規模を問わず、組織によるデータの収集と活用が一層加速化する中、データから実用的な情報を見出すための新しい方法が求められています。
競争力を維持したい企業は、膨大な量の構造化・非構造化データの収集、保存、分析を可能にする新たな「デジタル・アルケミー(デジタル錬金術)」に相当する技術を導入する必要があります。さらに、クラウドデータセンターへの需要の高まり、エンタープライズ市場に見る継続的な回復、顧客の要望などが、大規模な投資やインフラ開発、AIやアナリティクスの利用拡大を促し、世界中の企業のDXの加速をサポートする要因にもなっています。これは、Seagate Technologyによる委託で作成された調査会社であるIDCの最新の「Future-Proofing Storage(将来を見据えたストレージ)」白書によって明らかにされています。同白書は、アプリケーションやクラウドサービスに並行してデータを配置することがますます重要になっていると考える回答者が多かった調査結果に基づいています。
ビジネスのデータ活用、日本ではわずか24%
データの保存と管理に関しては、企業が直面する課題がいくつかあります。何よりもまず、効率的なクラウド・ストレージがない場合、企業は貴重なデータを廃棄してしまうという問題です。Seagateが2020に実施した「Rethink Data」レポートによると、日本ではビジネスに利用できるデータのうち活用されているものはわずか24%しかありません(世界全体では32%)。レポートによれば、日本の企業データ生成量は、今後2年間で年率36.8%成長することが予測されています。近年、企業が増え続けるデータ、そしてエッジやクラウドのように変化するアーキテクチャのニーズへの対応に苦慮していることを鑑みると、憂慮すべき状況であるといえます。
「将来を見据えたストレージ」白書によると、パフォーマンスの制限、管理の複雑性、クラウドとの非統合性という3つの要因が、現在のストレージインフラソリューションにおける主な技術的な課題となっています。調査回答者の78%は、ネットワーク上のデータ転送が容量に追いつかなくなったため、物理的なデータ転送/移行ソリューションを使用していると回答し、データをクラウドに出し入れする際のそれぞれの使用料が高額となる点も指摘しています。パブリッククラウドやプライベートクラウド、エッジクラウド、ハイブリッドクラウドの各インフラを管理するIT業務担当者は、最適なパフォーマンスを可能な限り低コストで提供するストレージソリューションを導入する必要があります。今回のレポートでIDCは、クラウド・ストレージユーザーの99%がデータを出す際の使用料を負担しており、企業の総保有コスト(TCO)に影響を与えていると指摘しています。
クラウド・ストレージ・アズ・ア・サービスの時代がくる
これらの課題に対応するため、クラウド・ストレージ・アズ・ア・サービス(サービス型ストレージ・クラウド)が効果的なソリューションとして登場しました。大量のデータに対応する柔軟なオブジェクト・ストレージ・クラウド・ソリューションにより、企業は既存のクラウド戦略を補完しながら、膨大な非構造化データセットの価値を引き出すことができます。シンプルで信頼性が高く、安全かつコスト効率の高いクラウド・ストレージ・ソリューションをメトロエッジで提供しながら、データが生成される場所により近いため、レイテンシ低減につながります。マイクロエッジおよびマクロエッジの中間に位置するメトロエッジは、センサーやデバイスからのデータを集約・配信・処理する企業向けシステムやデバイスで構成され、リアルタイムのワークロードを処理します。
データソースへの接続は、さまざまなエッジベースおよびクラウドベースのアプリケーションに容易に対応し、企業にとってより多くのデータをより早く価値あるものとして保存可能となります。また、ユーザーがデータの保管場所からデータを取得するまでの時間が大幅に短縮されます。ストレージ・アズ・ア・サービス・クラウドは、企業がデータを安全かつ効率的に広範囲にわたって保存・活用することを可能にし、常時稼働する可用性、世界最高水準のセキュリティ、コスト予測可能性、クラウドの拡張性ならびに柔軟性を提供します。
ストレージ・アズ・ア・サービス・クラウドは、99.9%の可用性を持つように設計されており、企業は必要に応じていつでもデータにアクセスでき、24時間365日のアナリティクスサポートも提供されることになります。大量のデータを簡単にクラウドに転送して保存することができ、シンプルな価格設定で追加料金やデータ転出料金がかかりません。これにより、企業がデータを保存することが容易になり、予期せぬ出費もなくデータ移動が可能となります。また、ストレージ容量を無制限に拡張することができるため、総保有コストの改善にもつながります。
ストレージ・アズ・ア・サービス・クラウドの変更不可能オブジェクト・ストレージは、攻撃、破損、消失からデータを保護し、マルチゾーン・レプリケーションは、必要なときにデータをアクセス可能にすることを保証します。顧客企業は、ランサムウェア対策、エンタープライズグレードのID管理サポート、自動データ複製、データ暗号化などにより、保管中のデータや伝送中のデータをさらに保護することができます。
企業が求めているのは、無制限に拡張可能でクラス最高の効率的なストレージをサービスとして展開し、潜在的に有用なデータの保存、アクセス、検索を可能にするクラウドソリューションです。データを保管・管理する企業にとって、ビジネスに解決策をもたらすことが重要であり、大容量のプライベートクラウドを対象としたストレージ・アズ・ア・サービス・クラウド・プラットフォームは今後の主流となることが期待されています。昨今のダイナミックなビジネス環境において、マルチクラウド展開に対応するストレージ・アズ・ア・サービスのクラウドソリューションは、データの可用性を高め、企業にとって重大な課題でもあるサイト障害からの復旧を迅速にする上で不可欠です。そして、高速でシンプルかつ安全なエッジストレージおよびデータ転送を実現することで、データを新たなアイデアに活用するまでの時間を短縮することができます。
業界の新潮流をひろく読者の皆様に紹介するため、寄稿記事を掲載しました。
◆ Seagate Technologyについて
Seagate Technologyはデータ環境(データスフィア)を創造し、持続可能なパートナーシップを重視しながら、世界クラスの精巧なデータ管理ソリューションのイノベーションを構築することにより、人類の可能性を最大限に高められるよう支援しています。40年以上にわたり世界のテクノロジー業界をリードしてきた同社は、これまでにデータ容量にして30億テラバイト相当を超えるドライブを出荷してきた実績があります。
からの記事と詳細 ( 【特別寄稿】クラウド・ストレージ・アズ・ア・サービス、大容量データの保存と管理の新たなアプローチ - マイナビニュース )
https://ift.tt/3gHHbjp
0 Comments:
Post a Comment