栃木県内六市町の農家が保管している東京電力福島第一原発事故で発生した「指定廃棄物」の市町ごとの暫定集約が、那須塩原市で初めて具体的に動きだした。集約場所となるごみ処理施設「那須塩原クリーンセンター」で二十六日、農家保管分を運び込むスペースを確保する作業が始まった。(小川直人)
県北部中心に六市町の農家百二十三戸がそれぞれの敷地で稲わらなどの指定廃棄物を一時保管している。農家の負担軽減のため、各市町ごとに集約することが決まっている。
那須塩原市内では、農家五十三戸が計千二百十六トンを保管している。環境省が六月、指定廃棄物の焼却灰を保管していた同センターに集約する案を示し、準備を進めてきた。
同センターでは、保管する焼却灰約千七百トンのうち基準の八〇〇〇ベクレルを下回った約千百十六トンを七月下旬に指定解除。市内の最終処分場に運び、空いたスペースに農家保管分を集める。二十六日は袋詰めされた焼却灰をトラックに載せ、搬出した。作業は十一月まで続くという。
◆搬入は10月ごろから
環境省と市によると、農家からの運搬は十月ごろから始まる。八〇〇〇ベクレルを超える二百六十二トンを優先して運び、全体の搬入終了は来年末の予定。八〇〇〇ベクレルを下回った九百五十四トンは指定解除して一般のごみと混ぜて焼却処分する。基準の超過分はそのまま同センターに保管する。
現地で作業を見守った環境省関東地方環境事務所の日下部浩保全統括官は「安全に作業を進め、農家の負担軽減のため次のステップにつなげたい」と話し、ほか五市町については「那須塩原市の状況を説明して協議を続ける」とした。
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