Friday, October 1, 2021

「制作者探してます」 閉校の黒石商高、保管作品の返却 - 朝日新聞デジタル

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林義則

 【青森】黒石高校との統合で来春閉校する黒石商業高校が、開校した1970年代から保管する情報デザイン科生の作品返却を呼びかけている。生徒が在学中に制作し、後輩の指導に活用してきたポスター原画約600点で、いずれも若き作者の思いと個性が詰まった大作ぞろい。作者不明の作品も多く、県や弘南鉄道も協力して作者探しに乗り出した。

 「制作中の先生とのやりとりや友だちとわいわいやった楽しい時間。当時の雰囲気が切り取ったようによみがえった」。1日に作品を受け取りに黒石商高を訪れた青森市の三上泰子さん(61)は、約40年ぶりの再会を喜んだ。

 同校は74年開校で、三上さんは3回生。パソコンがない当時は、コンピューターグラフィックスが主流の今のように制作途中の構図変更はできず、作品に絵の具がたれればやり直し。「全体を計算して、頭の中で完成を想定して描いた。グレーの塗りがムラにならず、褒められたのを覚えている」と思い出を語った。受け取った2作品はいずれも3年生の卒業制作で、構想から3カ月かけて完成にこぎつけた。

 ホームページで返還を呼びかけ始めたのは9月中旬。閉校に向けて整理を始めたことがきっかけだった。ビジュアルデザイン実習室の棚の上などに残された多くのポスター原画は卒業制作や授業中の作品とみられ、いずれもB1サイズ(1メートル×73センチ程度)の大型作品。1~10回生の作品を中心に後輩の制作見本として使われてきたという。

 デザインの授業を担当する柾木富美子教諭は「製図も彩色も全て手作業で、相当な技術力と根気が必要だったはず。伝えたい思い、個性が詰まった素晴らしい作品を手元に返したい」と希望者からの連絡を募り始めたという。

 「作品返却大作戦」と銘打ち、卒業生からの連絡に備えて保管作品の写真や特徴をリスト化。今月1日からは中南地域県民局が高校生と沿線の活性化を図る「弘南鉄道文化祭」の事業として、「制作者を探しています WANTED」と呼びかけるポスターなどの掲示を鉄道車両内と黒石駅で始めた。

 返却期間は来年2月まで。返却希望者は同校のホームページからダウンロードした書式に連絡先などを記入。メールかファクスで受けつけ、作品が見つかれば卒業生に返却される。(林義則)

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