Friday, October 22, 2021

原発事故の廃棄物 搬出 農家10年超保管 栃木・那須塩原市 - 日本農業新聞

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 栃木県那須塩原市の農家53戸が保管してきた、2011年の東京電力福島第1原子力発電所事故による農業系指定廃棄物の搬出が22日に始まった。指定廃棄物は、事故で出た放射能濃度が1キロ当たり8000ベクレルを超えるごみ。保管する県内6市町のうち、農家の負担軽減に向けた搬出は初めて。放射能濃度が基準値以下のものは、市のごみ処理施設で一般ごみと混ぜて焼却する。

 初回の搬出は、育成牛を含め乳牛30頭を飼養する酪農家の男性(68)が、自宅近くの農地で10年7カ月保管してきた牧草と稲わら19・8トン。このうち、稲わら約6トンは基準値をいまだ超えている。

 防じんマスクをした作業員らが、牧草が入ったフレコンバッグ3袋(計1・3トン)をショベルカーでつり上げてトラックに載せた。

 男性は「10年前のように、また牧草や飼料用トウモロコシが植えられる」と喜んだ。一方で「環境省職員の『1年後には片付けるから』の言葉を信じたが、諦めていた。後継ぎの息子には背負わせたくないと思っていた」と振り返る。

 今回の搬出は環境省の事業。関東地方環境事務所の日下部浩保全統括官は「10年以上保管してきた農家に申し訳ない。国が技術と費用で支援し、農家の負担軽減に向けた協議を他市町とも進めたい」と述べた。

 農家分の搬出は、基準値以上のものを保管する農家を優先し、22年12月末に完了する見込み。搬出分の8割は基準値以下で、ごみ処理施設に搬入後、指定を解除し一般ごみと混ぜて焼却する。

動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=0nSjqbMDOmY

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