Friday, November 4, 2022

戦艦「大和」の主砲削った巨大旋盤、広島・呉に陸揚げ 戦後69年間兵庫で使用、保管 - 神戸新聞NEXT

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 旧日本海軍が製造した世界最大の戦艦「大和」の46センチ主砲の砲身を削り出し、戦後は69年間兵庫県で使用、保管されていた巨大旋盤が4日、広島県呉市に陸揚げされた。7日から組み立て作業が行われ、22日には大和ミュージアム(同市海事歴史科学館)敷地内の台座に設置される。

 旋盤は全長約20メートル、高さ約5メートル。ドイツ・ワグナー社製で1938年に呉海軍工廠に配備された。当時は全長40メートルもあり、大和の主砲身(口径46センチ、長さ20・7メートル、重さ166トン)を削った。53年に神戸製鋼所高砂製作所(兵庫県高砂市)に払い下げられ、96年以降は金属切削加工会社きしろ播磨工場(同県播磨町)で大型船舶用プロペラ軸の加工などを担い、2013年まで稼働した。

 同ミュージアムは21年、輸送や保存に向けたクラウドファンディングを実施し、寄付金約2億7千万円が集まった。

 今月1日、いったん解体された旋盤の部品を貨物船に積み込む作業が、同工場などであった。同ミュージアムによると、船は2日早朝に兵庫県の東播磨港を出発し、同日夕方には広島県呉港に入った。4日は午前9時から作業を開始。大和の建造にも携わったとされる起重機船「さんこう」が、船から旋盤の部品を一つずつつり上げて、岸壁に下ろした。同工場の社員7人も立ち会った。

 7日から始まる組み立て作業も、同工場の社員が担う。同ミュージアムの敷地内にある台座に移動後は、展示施設の建設が始まる。

 同ミュージアムの兼光賢学芸課長は「旋盤が呉に帰ってきたことは感慨深い。台座への設置や施設の建設など、これから本格的な作業になる。慎重にやっていきたい」と話した。(門田晋一)

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