第97回東京箱根間往復大学駅伝 復路 ( 2021年1月3日 神奈川・箱根町~東京・大手町 5区間109・6キロ )
往路を制した創価大はゴール直前に逆転を許し、10時間56分56秒で総合2位だった。7区・原富慶季(4年)が区間2位の力走で差を広げ、9区区間賞の石津佳晃(4年)までトップを維持したが、10区で3分19秒のリードを守り切れずラスト2キロで駒大にかわされた。15年に箱根初出場を果たし、前回大会は9位で初のシード権獲得。出場4度目での総合優勝にはあと一歩届かなかったが、駅伝戦国時代に割って入る大きな躍進を遂げた。
10区(23キロ)の小野寺勇樹(3年)は頭を振り、歯を食いしばりながら必死に足を進めた。21キロ手前で抜き去られた駒大のアンカー石川に反応する余力は残っておらず、ゴール後は力なく倒れ込んだ。それでも、総合2位という結果への悔しさがチームの成長の証。就任2年目の榎木和貴監督(46)は「悔しい思いは強いが、準優勝は出来過ぎ。走った選手はよくやってくれた」と称えた。
2位・東洋大に2分14秒差をつけて6区・浜野将基(2年)がスタートし、後続に差を詰められながらも首位をキープ。復路のキーマンに指定された7区の原富が「自分のところで引き離そう」と区間2位の力走を見せ、1分8秒だった差を43秒広げた。2年連続で9区を任された石津はトップでたすきを受けると、区間記録まで13秒に迫る快走を見せ「先頭はひと味違う。楽しかったです」と充実の表情を浮かべた。
決定的と思われた差は最終区でひっくり返されたが、指揮官の「タイムが走るんじゃない、人が走るんだ」という言葉を体現した217・1キロだった。エントリー16人のうち1万メートルの自己記録28分台は2人。タイムが重要なトラック競技とは異なり、駅伝では流れやプラスアルファの要素が鍵を握る。8区区間8位で粘った永井大育(3年)は「僕は1万のタイムも劣っているので、みんなのことを考えながら走れるかが重要だった」と振り返る。仲間のために実力以上の力が出せる創価大にとって、下馬評も実績も関係なかった。
中大時代に4年連続区間賞を獲得した榎木監督は19年2月の就任時に24年の100回大会で優勝する5カ年計画を立てたが、11月のハーフのタイムトライアルで昨年のエース米満怜(現コニカミノルタ)の記録を8人が上回り、「思った以上のスピードで選手が成長した」と舌を巻く。準優勝の上は、優勝しかない。「次の挑戦をしろということだと思う。うちはエリートは入ってこないので、じっくり育てたい」。伝説はここから始まる。
▽創価大 東京都八王子市に本部を置く私立大。1971年に宗教法人創価学会の第3代会長だった池田大作氏によって設立された。当初は文系のみだったが、看護学部などを加え、現在は文理8学部10学科。OBにはお笑い芸人のナイツ、プロ野球ヤクルトの小川泰弘らがいる。
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