ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ

TEXT:山口真弘(ITライター)
ノートPCやタブレットは、デスクの上に出しっぱなしにしていると、意外とスペースを取りがちです。こうした場合、スタンドに立ててやれば、デスク上で場所を取ることもありません。
もっともノートPCやタブレットは精密機械で、かつ重量もそこそこあります。あまり不安定なスタンドだとバタンと倒れてしまう危険があります。また1台と言わず、2台3台とまとめて立てたいというニーズもあることでしょう。
今回紹介するBecrowmのノートPCスタンドは、こうしたニーズに最適な、最大3台のノートPCやタブレットをまとめて立てられる製品です。

本体は総アルミ製。実測848gとかなりのヘビー級ゆえ安定感は抜群です

全長は約18cm。ブランド名らしき「JIUSHARK」なるロゴが印字されています

最小幅は実測12mmと、スリムノートやケース付のタブレットに適します

最大幅は実測なんと33mm。これならば厚みのあるノートPCも立てられます
では本製品の特徴は何かというと、スタンドに脚がついていることです。一般的なスタンドでは、本体底面がデスクにそのまま接地する構造なのに対して、本製品は両サイドの脚によって、本体がデスク天板から2cm程度持ち上がるようになっています。
この仕組みの大きなメリットは、電源ケーブルを本体の真下に通過させられることです。何本ものケーブルを配線しても美観を損わないほか、電源アダプタなど径が太いケーブルも乱雑になることがありません。ケーブルを奥まで通し、デバイスとケーブルの接続を手前ではなく奥で行うようにすれば、外した電源ケーブルがデスクの下に落下することもありません。
横幅がコンパクトなのも利点です。ノートPCスタンドの多くは、断面が「T」の字を上下逆にした状態で、底面の幅が意外に広く、スペースを節約するのが目的なのにそこそこの場所を取ってしまうことがあります。同製品は底面の幅も最小限で、かつ重量があるため安定感も十分です。

本体の下に電源ケーブル類を通過させられるのは配線上大きなメリットです

抜いたケーブルがデスクの下に落ちないよう配線を工夫するのも容易です
ただしこの12~33mmというレンジは、ノートPCのように厚みがあるデバイス向けで、タブレットにはやや余裕がありすぎます。特にiPad ProやiPad Airなど薄型のタブレットは厚みが5~6mm前後なので、これらを立てようとすると、最小値の12mmでもまだ余裕があり、左右に傾きがちです。
もっとも、保護ケースを装着した状態のタブレットであれば、こうした問題もなく、きちんと直立させられます。タブレットをケースなしの裸で立てる場合のみ、傾く可能性があると、考えておけばよさそうです。
ちなみに本製品は総アルミ製の、かなり質実剛健とした設計で、それゆえ傷もつきやすく見えますが、スリットの内側にはラバーが貼られており、デバイスに傷がつく心配もありません。

両サイドのネジを使ってスリットの幅を調整できます。左右は独立して可動します

スリットの内側にはデバイスに傷をつけないようラバーが貼られています

最小幅は12mmゆえ、薄型のタブレットを立てるとこのように傾くこともしばしば

スリットの幅は最小で12mmなので、薄型のタブレットにはやや余裕がありすぎます

保護ケースを装着した状態のタブレットであれば幅もぴったり合います

保護ケースを装着して幅が12mmを超えた状態のほうがフィット感は高くなります
この製品、海外の実質ノーブランド品で型番も明らかではありませんが、実はかなりのロングセラー商品で、評価も高いようです。価格も以前は4千円台だったのが、現在は3千円台まで下がっており、モノからするとかなりリーズナブルです。安定感があって実用性の高いノートPCスタンドを探しているユーザーにとって、狙い目の製品といえそうです。

幅を広げると調節用のネジが露出した状態になります

薄いデバイスを立てるとネジに接触しかねないため、傷防止の対策は立てておきましょう

山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
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