テニスの大坂なおみ選手が5月27日、30日から開幕する全仏オープンでは取材対応を一切しないとの声明をSNSで発表。「アスリートのメンタルヘルスを無視している」と現運営体制を強く批判しました。テニスの試合に関しては、勝者が試合直後に行うオンコートインタビュー、試合後あらためて両者がそろって行う記者会見がつきもので、これらに応じない場合は罰金が課せられると広く知られています。
大坂選手は特に敗者が出席をしいられる会見は、メンタルヘルスを軽視する傾向が顕著だと批判。何度も同じ質問をぶつけられることにへきえきしていると告白し、また「過去に何度もアスリートが敗戦後の会見で泣き崩れる映像を見てきた。あなたも目にしたことがあるでしょう?」と敗れた試合について問いただされる会見を“泣きっ面に蜂”だと主張。「どうしてそんなことをするのか意味が分からない」と疑問を呈しました。
無名時代からインタビューを受けている数人のジャーナリストとは信頼関係が築けているとし、取材拒否は個人的に大会や記者へ恨みがあってのことではないと強調。その一方で、運営側が「取材に応じなければ罰金を取るぞ」と現体制を続けるのであれば「笑っちゃうね」とユーモラスな表現で毒づいています。
大坂選手は声明を「かなりの罰金が取られるでしょうけど、メンタルヘルスのチャリティーに使われるといいなと思います」と結び、罰金は覚悟の上での決意だとしています。なお大坂選手は2021年版スポーツ選手長者番付(スポーティコ発表)で、女子最高額となる年収5520万ドル(約60億円)を稼いだと発表されたばかりでした。また5月はメンタルヘルス啓発月間と定められ、多くの著名人が発信しています
投稿は大きな反響を呼び、元世界ランク1位のビーナス・ウィリアムズ選手は「自分らしく。あなたの人生はあなたが生きるものなのだから」と後押ししています。大坂選手はInstagramの投稿に、14歳当時のウィリアムズ選手が厳しい質問を受け、たまらなくなった父親が割って入り記者を怒鳴りつけるインタビュー動画を載せていました。
現時点で大坂選手の声明は肯定的な反応を多く得ていて「あなたを誇りに思う」「テニス選手の仕事はテニスをすることだ」といったコメントが投稿されています。一方で「プロとしてのファンサービスは義務」「スポンサーが出した賞金が出ていてそれを受け取る限りは、スポンサーや大会運営に逆らうのは」と批判的な意見もSNS上に見られました。
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