Sunday, May 30, 2021

最新Intel環境で爆速SSD!26GB/s超えのPCIe 4.0 SSD×8ストレージを触ってみた - AKIBA PC Hotline!

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HighPointのRAIDカードにSamsung SSD 980 PROを8枚用意し、Rocket Lake環境で最速ストレージを構築してみた。

 PCI Express 4.0に対応した、デスクトップ向け第11世代Coreプロセッサ(Rocket Lake-S)の登場によって、Intel環境でも最新のPCIe 4.0 SSDが利用可能となった。

 そこで今回は、Rocket Lake-Sが内蔵するPCI Express 4.0と最新鋭PCIe 4.0 SSDを最大限に活用して、Intelの最新環境における最速ストレージの構築に挑戦してみた。

 SSDの枚数が増えることで速度がどう変化するのかや、SSDの枚数が増える事でのメリットなども考えてみたので、高速ストレージに興味のあるユーザーはチェックしてもらいたい。

Core i7-11700K + Intel Z590チップセットマザーで最高速を引出す

 8枚のPCIe 4.0 SSDを搭載したHighPoint SSD7540をテストするのは、Rocket Lake-Sベースの8コア16スレッドCPU「Core i7-11700K」と、「ASUS TUF GAMING Z590-PLUS WIFI」を組み合わせたIntel Z590環境。

 Rocket Lake-Sを搭載したIntel Z590環境では、CPU内蔵のPCI ExpressがGen 4に対応しており、ビデオカード接続用のPCI Express x16スロットや、CPU直結のM.2スロットでPCI Express 4.0が利用できる。

 PCI Express 4.0 x16スロットにHighPoint SSD7540を搭載する都合上、GPUについてはCPU内蔵のIntel UHD Graphics 750を使用している。その他の機材は以下の通り。

Rocket Lake-Sの8コア16スレッドCPU「Core i7-11700K」。
ASUS TUF GAMING Z590-PLUS WIFI。

最速のRAID 0構成で、リード最大26.5GB/s・ライト最大27GB/sを達成これがIntel Z590環境の最速ストレージだ!

 まずは、HighPoint SSD7540に搭載した8枚のSamsung SSD 980 PROでRAID 0を構築したさいのパフォーマンスから見てみよう。

 CrystalDiskMarkを実行した結果、シーケンシャルアクセス性能を測定するSEQ1M Q8T1において、リード最大26,493MB/s(約26.5GB/s)、ライト最大26,985MB/s(約27GB/s)という速度を記録した。HighPoint SSD7540の最大速度である28GB/sより多少低い数値ではあるが、PCIe 4.0 x16対応RAIDカードならではの速度を実現することができている。

SSD×8枚RAIDに意味はある?枚数を増やせばSSD1枚あたりの転送速度やSLCキャッシュ容量で有利に

980 PROには負荷に合わせ動的に容量が変わるSLCキャッシュ機能「Intelligent TurboWrite」が搭載されている。2TBモデルであれば最大222GBとされており、キャッシュに収まる量のデータであればSSDはほぼ最高のパフォーマンスを発揮する。RAIDでSSDを束ねた場合、SSDの枚数が増えるほどにこのキャッシュ領域も枚数分増えることになるので、結果的に大きなデータを扱っても速度低下が起きにくい環境を構築できる。

 ベンチマークの速度を見ると、SSD×4枚あたりまでが速度が大きく伸びるので、それ以上は無駄な部分が多いと思うかもしれないが、実際にクリエイター用途などで使用する場合はシーケンシャルアクセスの速度が上限値に近くなっても、さらにSSDの枚数を増やす意味がある。

 RAIDカードやインターフェイス速度の限界に近づくことで、SSDの枚数が増えても最大転送速度の上昇は緩やかになっているが、枚数を増やすことでSSD1枚あたりの負荷は減少し、SSDが利用できるSLCキャッシュ(Intelligent TurboWrite)の容量が増加するため、連続したアクセスでもパフォーマンスを維持しやすいというメリットがある。

 例えば、7枚構成と8枚構成のライト速度は1GB/s弱しか違わないが、7枚構成ではSSD1枚あたりのにかかるライトの負荷は約3.72GB/sであるのに対し、8枚構成では約3.37GB/sであり、1枚あたりに負荷としてかかる書き込み速度は10%ほど減少している。くわえて、SSDの枚数が7枚から8枚に増えるということは、SLCキャッシュ容量も14%増加することになる。980 PROの場合、2TBモデルであればSLCキャッシュは最大222GBとされており、8枚であれば最大で1,776GBの高速な領域が活用できる。

 これらの変化は、最大性能を連続で発揮できる時間をより長くするものであり、複数の動画ソースに同時アクセスが発生する動画編集や、そうした用途で使用する大容量ファイルの移動やコピーにおいて、よりよいパフォーマンスが期待できるというわけだ。

 また、4Kや8Kの動画は非常の容量が大きい。SSD上に複数の動画データや素材のデータを展開して作業した場合、その容量は数TBにもなることがある。2TBのSSDで容量が足りない場合、複数枚のSSDをRAID 0で束ね、容量が足りない分を補う運用もできる。980 PROは現在2TBモデルが最大容量となっているが、将来4TBモデルなどが登場した場合、SSD×8枚をRAID 0で束ねることで、32TBの超高速領域を構築することも可能になる。速度だけでなく、容量面の問題を解決するのにもRAIDは活用できる。

PCIe 4.0対応で最速級ストレージを使えるようになったIntel今後登場するXeonやハイエンドプラットフォームのPCIe 4.0対応にも期待

 今回のテストで、PCI Express 4.0に対応したRocket Lake-Sなら、PCIe 4.0 x16接続のRAIDカードを用いることで、25GB/sを超える超高速ストレージ構築できることが確認できた。超高速ストレージの構築に興味のあるパワーユーザーにとっては、Intel環境という新たな選択肢が増えたことになる。

 とはいえ、Rocket Lake-SでHighPoint SSD7540の性能をフル活用するためには、ビデオカード用に提供されているPCI Express 4.0 x16スロットを明け渡さなくてはならないため、GPU性能とストレージ性能どちらも最高といった構成にはできない。現実的にはPCIe 4.0 x8接続(16GB/s)での利用が妥当なところだろう。

 Intelは、次世代データセンター向けCPUである第3世代Xeon SP(Ice Lake-SP)が、64レーンのPCI Express 4.0を内蔵することを明らかにしており、今後はメニーコアCPUでもPCI Express 4.0が利用できるようになる。この流れがハイエンドデスクトップ(HEDT)にも波及して、RAIDカードとビデオカードをフルレーンで使える動画編集用ワークステーションの自作が可能になる未来に期待したい。

[制作協力:Samsung]

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