発端となったのはジャマイカ戦の緊急中止。JFAによると、ジャマイカ代表の欧州組10選手の出発前のPCR検査に一部不備があり、航空カウンターで止められたため、予定していたフライトに搭乗できず、試合エントリーのため義務付けられた試合3日前(5月31日)の日本到着ができなかった。参加予定だった20選手のうちアメリカ発の10選手は来日したが、10選手で国際試合を成立することができないと判断し、中止が決まった。
田嶋会長によると、中止が決まったのは31日午後1時。30日深夜にジャマイカ側の不備の連絡があったという情報を受け、「31日13時ごろまでに手配ができれば間に合うんじゃないかというところで、とにかく来てもらうことに全力を尽くした」が、再度のPCR検査や航空便に都合がつかず、31日中の来日が不可能になったという。
その後、“兄弟対決”の開催が決まった。田嶋会長は「反町技術委員長、森保監督、横内監督代行、選手で話してくれたと聞いている。その上でA代表と五輪代表が試合をしようということになった」と現場主導の発案だったと説明。U-24日本代表は5日に国際親善試合ガーナ戦を福岡・ベススタで控えており、中1日での試合となるが、「ラージリストで多めの人数を呼んでいるので、コンディションを見ながら使うことになる。各クラブにも連絡して了解を得たと聞いている」と述べた。
A代表と五輪代表の対戦は異例中の異例。双方のプライドが交錯する試合になるため、ある種「タブー視されている」(田嶋会長)対戦でもある。
それでも田嶋会長は「お互いにとってプラスになるという思いから森保監督が決めてくれた。あらためて感謝したい」と述べ、「なかなか普段こういう代表同士の試合は見られないが、東京五輪だからこそできたことだと思っている。こういう試合を見て、次の代表にどんどん入ってくる若い選手たちが五輪にいる。非常に興味がわく試合になってくれると思っている」と期待を語った。
日本代表対U-24日本代表は札幌ドームで無観客開催され、6月3日午後7時30分にキックオフ。試合はチャリティーマッチ扱いで、投げ銭のウェブサービス『KASSAI』で募金した収益を医療従事者らへの活動に寄付するという。
(取材・文 竹内達也)
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