
東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)で最近、汚染水の浄化設備や廃棄物保管のずさんな管理が相次いで明らかになっている。過去のトラブル情報を社内で共有せず、場当たり的な対応をしてきた結果だ。事故から十年半が過ぎても繰り返し姿勢の甘さを露呈する東電に、被災者は不信感を募らせる。 (小野沢健太)
■放置
「明らかに設計上の問題がある。自発的に説明がなかったことは遺憾だ」。事故収束作業を議論する十三日の原子力規制委員会の検討会で、規制委事務局の原子力規制庁の安井正也特別国際交渉官は強い口調で東電を批判した。
東電は八月末以降、汚染水を浄化処理する多核種除去設備(ALPS(アルプス))で排気中の放射性物質を吸着するフィルター全二十五基のうち二十四基に穴が開いたことを確認したと規制委に報告した。だが、二年前に全基が損傷した際に原因を調べていなかったことについてはこの日、安井氏に聞かれるまで説明しなかった。
なぜ二年前に対策を怠ったのか。東電の担当者は「設備内の放射能濃度に変化がなかったので、そのままにしてしまった」と弁解。不具合情報はトップまで伝わらず、小野明・福島第一廃炉推進カンパニー最高...
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