新型コロナウイルス対策として政府が調達した「アベノマスク」を含む布マスクが大量保管されている問題で、厚生労働省が1日、朝日新聞に保管状況を公開した。8千万枚を超える行き場のない布マスクが、10万箱に及ぶ段ボール箱に詰め込まれていた。
布マスクは昨年4月、店頭でのマスク不足を受けて当時の安倍晋三首相が全世帯に配布すると表明し、アベノマスクと呼ばれた。別に配布した介護施設向けなどと合わせて、国は計約2億9千万枚を調達。調達や配布に要した費用は総額約500億円に上ったが、今年3月末時点で3割近い8272万枚が倉庫に残っていることが、会計検査院の調査で判明した。
今回公開されたのは、在庫が一括して保管されている東京近郊の大型倉庫。保管業務は4月から日本通運が請け負っている。朝日新聞の取材申し入れに、所在地を特定しない条件で公開された。
厚労省によると10月末時点の在庫は8130万枚で、4月以降に解消された在庫は142万枚にとどまる。担当者によると、倉庫内の布マスクは200~2千枚程度に分けて段ボール箱に収められ、その数はおよそ10万箱。10トントラックで300台分以上になるという。
箱は鉄製のラックに約4メートルの高さまで積み上げられ、約1万平方メートルのフロアの半分以上を占めていた。箱を開けると、布マスクは一枚ずつビニールで包装された状態でぎっしりと詰め込まれていた。
会計検査院は11月、岸田文雄首相に提出した昨年度の決算検査報告で、約6億円の保管費がかかっていることなどを指摘。厚労省の関係者によると、在庫の解消が進まない場合、今年度の保管費は3億円を超える見通しという。
巨大倉庫に積み上げられた布…
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