縦八メートル、横十六メートル、深さ二・五メートルのわき水のプール内に約二千年前の杉の樹根化石を保管展示している魚津市の魚津埋没林博物館水中展示館。一九五三(昭和二十八)年ごろ、発掘と平行してプール造成も進められた。発掘場所から動かさず、できるだけ埋没していた時と同じ状態で保管する工夫。同館によると、国内では唯一無二という。
博物館が九二年に発行した「埋没林のはなし」に当時の経緯が記されている。「魚津の三太郎博士」の一人で名誉市民第一号でもあるテレビ発明の先覚者、川原田政太郎(一八九〇〜一九八三年)の提言を受け、市当局は専門家を交えて埋没樹根を自然のままで観察できる方法を検討。乾燥保存、薬品処理も挙がったが、戦前の調査で樹根が保存された原因が樹根周辺の豊富な地下水にあると報告されていることなどから、水中保管が決まった。
五五年の博物館開館から四十年近くを経た九二年、博物館はリニューアルされたが、水中保管方法は変えなかった。
石須(いしず)秀知館長は「出土品の経年劣化は避けられないが、水中展示館の樹根の劣化はあまり見られない。プール内保管は単純だが、効率的。あと百年ほど大丈夫なのでは」と話した。 (松本芳孝)
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