Monday, November 29, 2021

イチロー氏、一通の手紙がキッカケ 国学院久我山で選手指導「すごい気持ちの伝わる手紙。大切に保管」 - スポーツニッポン新聞社

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国学院久我山の選手を指導するイチロー氏
Photo By 代表撮影

 マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(48)が29日、秋季高校野球東京都大会を制し、来春の選抜高校野球大会の出場が有力な国学院久我山で選手指導を行った。高校生を指導するのは昨年12月2日から3日間行った智弁和歌山以来となった。また今後、年内に2校を指導予定となっている。

 一通の手紙がイチロー氏の心を動かした。2020年、当時2年生だった田村優樹選手がイチロー氏と出会う機会があった。そういった縁もあり、2年生部員全員から「野球がうまくなりたい、強くなりたい。そのために来てほしい」と、思いのこもった一通の手紙がイチロー氏のマネジャーの元に送られてきた。田村選手らの世代は引退してしまったものの、後輩のためにも一緒にプレーする機会を設けてほしいという強い思いを受けて、今回の選手指導に繋がった。

 午後3時、選手たちが待つグラウンドに赤のハーフパンツに黒のフード付きトレーニングウエア姿で現れたイチロー氏。輪になっていた引退した3年生を含む総勢82人の選手たちの前であいさつ。

 「田村くんとたまたま会って、手紙をいただきました。東京大会で優勝したから来たわけではないので。それ(手紙をもらって)から、みんなの結果はフォローして、夏の結果も見ていた。すごい気持ちの伝わる手紙。(自宅で)大切なものが入っている引き出しに、大切に保管している」

 イチロー氏を動かしたのは熱い思いだけではなかった。「これを見るだけで文武両道がわかる。文武両道に僕はすごく憧れていた。高校は完全に野球一本で選んだので」と自身の高校時代を振り返った。そして「一緒に練習しましょう。そんなスタンスで」と選手たちに伝えた。

 1、2年生がアップを開始すると、イチロー氏はトレーニングウエアを脱ぎ、アンダーシャツに半袖の白Tを着た姿になり、3年生と記念撮影。そこでは手紙の字の小ささが話題になるなど和やかなムードだった。

 その後、イチロー氏は内野を走り体を温め、ティー打撃へ。アップ中の1、2年生と練習準備をしていた3年生が視線を送る中、57スイング。現役さながらの全力スイングを披露。ティー打撃後、内野でダッシュ走を始めると、選手がイチロー氏のもとへ質問に。すると3年生も含めて全部員が集合し、熱心に耳を傾けた。

 ▽智弁和歌山で指導者デビュー 19年は同校を訪れ、12月には自身の草野球チームと同校の教職員チームで試合を行った縁もあり、昨年12月2日から3日間の実施が実現。初日は、イチロー氏からあえて声をかけず、選手を観察。2日目からは実際に指導を開始し、3日目には実際に選手たちの前で走塁の技術指導を行い、スタートの切り方、帰塁、心構え、など技術論、精神論を細かく伝えた。さらにフリー打撃では場外弾を連発し、選手たちからは「えぐい」との声も上がった。

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