単身者が増加し人口減少が進む中、管理者がいない「無縁墓」の増加が見込まれている。総務省が初めて全国調査を実施したところ、公営墓地や納骨堂がある市町村の約6割に無縁墓があり、管理費の滞納総額は4億円を超えていた。だが、「無縁」であることの確認には手間や時間がかかり、撤去は進んでいない。
総務省は、1718市町村と東京都を対象に昨年2月から今年9月までの間、調査を実施。13日に発表した。
公営墓地・納骨堂があると回答したのは765市町村。このうち、58・2%が無縁墓があると回答した。雑草や樹木が生い茂ったり、墓石やブロック塀が倒れたり、ゴミが捨てられたりするケースもあるという。
だが、過去5年間(2016~20年度)で無縁墓の墓石の撤去に着手したと回答したのは6・1%。今後、無縁墓の撤去(改葬)を実施する意向と回答した市町村の割合は22・1%だった。
無縁墓を撤去できない理由とは?
今回の総務省調査で判明した無縁墓は氷山の一角にすぎません。なぜ、多くの自治体は無縁墓を撤去できないのでしょうか?
撤去が進まない理由として、縁故者や墓の継承者などの連絡先がわからず、同意の確認が難しいことがあげられた。無縁墓の遺骨は合葬式施設に移されるケースが多いが、施設がないので対応できない、との回答もあった。遺骨の扱いを「一時保管後処分」や「未定」とした自治体もあった。墓石の保管期間や保管場所について苦慮している、との回答も寄せられた。
墓の管理料を徴収していると回答した432市町村のうち滞納が発生したのは55%。滞納総額は約4億4800万円にのぼった(20年度末時点)。佐賀県唐津市では5年に1度管理料を徴収していたが、使用者との接触頻度を高めるため、2014年度から毎年徴収するように変更した。
全国には墓地・納骨堂は約8…
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