中日福谷浩司投手(29)が27日、ナゴヤ球場で契約交渉の望み、増額提示を保留した。理由を問われ「保留するのはすぐ決まった。金額よりは、他のチームの契約更改結果を含めて考えたいと話をした」と明かした。他球団の契約状況を確認するためとし、約1時間の交渉で、慶大理工学部卒の頭脳を駆使して査定方法の改革案を提示した。球団に要望したのは3つ。
(1)先発投手をサポートした野手、リリーフへの正当な評価
(2)チームの方針に従った結果に対する評価
(3)若手のモチベーション増
自身の契約は二の次で訴えかけた。
福谷は昨季先発に転向し、今季覚醒。7月下旬に1軍昇格すると先発ローテーションを守り、14試合8勝2敗、防御率2・64の成績を残した。目標のプロ初完投こそ逃したが、救援陣、野手陣に勝利を支えられた。「祖父江さん、阿部さん、木下、福、周平、京田の6人には満足のいく評価をしてほしい」と、自己最多の8勝への貢献度評価を求めた。
球団は定められたフォーマットで選手を評価、査定するが、福谷は「被本塁打(の低減)、与四球(数の減少)、バントなど、首脳陣からその都度言われたことを練習した」と、シーズン中に首脳陣が示した方針への貢献度も査定ポイントに入れることを希望。また、来季以降、戦力として期待される根尾、石川昂らのモチベーションを引き出すような評価も提言した。
今季の福谷は、エース大野雄に次ぐ勝利数で8年ぶりAクラス躍進の原動力になった。「金額の提示がある前に査定担当の方にすごく質問した。金額を聞く前に代表と話をする機会ももらった」。慶大卒右腕がオフは待遇改善へ頭脳をフル回転させ、銭闘でチームをけん引する。【伊東大介】
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