
2つの不敗神話が継続
“因縁“の東京ドームで矢野監督がヒーローインタビューに立った。 「打って欲しいところで、いいホームランばかり。流れをこっちに引き寄せるような素晴らしいホームランでした」 その第一声で計5発をかっとばしたクリーンナップを称えた。マルテが1回の先制と3回の2ラン、大山が3回、9回と右左に一発。そしてサンズが1点差に迫られた6回に価値ある6号ソロ。クリーンナップで5発7打点を叩き出して負けるわけがない。昨年は東京ドームでの開幕戦で3連敗を喫して出遅れたが、今季のドーム初戦は、チームの勢いのまま、どちらがディフェンディング王者かわからないような圧勝劇である。 「野手陣は、ほぼベンチメンバーを使った。みんなが活躍し流れのある攻撃ができた。ピッチャーもみんなでつなげる一丸野球ができた。連勝はもちろんうれしい。ジャイアンツ相手ということで。カードの頭を取れたのもうれしい」 矢野監督のコメントもスラスラと走った。 2つの不敗神話が継続した。先制した試合が16連勝。大山が打点をあげた試合が昨年から19連勝である。 続けてインタビューに呼ばれたのは、その先制点を叩き出し、来日3年目で初の1試合2本塁打をマークしたマルテ。 「とてもうれしい。みんながしっかりと打って、しっかりと守って勝利をもぎ取ることができた。とても満足している」 弓を弾くポーズをベンチの選手全員と共有する「ラパンパラ」の儀式がムードを盛り上げているが、「すごくいい瞬間。チームのみんなも私が本塁打を打ってラパンパラをするのを待ってくれたと思う」と語り、インタビューアーから「レフトスタンドのファンもやってましたよ」と促されると、その場でレフトスタンドに向かってラパンパラポーズを取って虎党を喜ばせた。 マルテは、5戦4発と絶好調。昨年阪神で2軍チーフコーチを務めていた評論家の高代延博氏は、その好調理由を「新加入のロハスの影響が少なからずあると思う。ここで存在感をアピールしておかねば、現場は、どうしても新戦力を使いたがるだろうし、落ちるとすればサンズではなくマルテ。それが集中力につながっている」と見ている。
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