浅田真央さんが「応援してくださった方々への感謝を込めて」、3年にわたって続けてきた「サンクスツアー」がついに千秋楽を迎えます。そこで『Sports Graphic Number』での連載「私のスケート愛」の最終回を特別に公開します(初出:1025号 2021年4月15日発売)
いよいよサンクスツアーは千秋楽を迎えます。「ナンバー」で連載してきた「私のスケート愛」もこれで最終回となり、一冊の本にまとまることになりました。このタイトルは、自分で考えたのですが、3年前はまだスケートを外側から見ての「愛」でした。今、私は「サンクスツアーって何ですか」と聞かれると「愛です」と答えるのですが、ようやく「愛」というもののすべてが自分の体の中に入った実感があります。
桜が満開になってあっという間に散っていくのを見て、サンクスツアーが終わる寂しさも募るようになりました。少し前までは、これは終わりじゃない、と考えていたのですが。そこで今回は、3年間一緒に過ごしたキャスト一人ひとりについて触れたいと思います。
千秋楽ではエルニの涙が見られるかな
無良(崇人)っちは、サンクスファミリーの大黒柱。何があってもどっしりと構えていて、私を支えてくれました。
(川原)星は、すごく面白い子なんですが、コーチもやるようになって、大人っぽくなりましたね。
(橋本)誠也は、常に何事にも全力。リハーサルから、ひとりだけオープニングの衣装がめくれ上がるほど全力疾走しています。
エルニ(マルティネス エルネスト)は最初、写真を撮ってもあんまり笑わなかった。「笑いたくないんだ」って言って。それが途中からすごく楽しそうに笑うようになったので嬉しかったです。それに、新潟での最初の打ち上げで、みんなが感極まって泣いていた時も、エルニだけが泣かなかった。「みんな、泣くのはまだ早い。終わりまでとっておくのよ」って言ってました。だから、千秋楽ではエルニの涙が見られるかなって楽しみにしているんです。
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