神戸市で10日から始まった新型コロナウイルスワクチンの高齢者向けの接種でミスが相次いでいる。半月あまりで、計約1200回分のワクチンを廃棄する事態になった。感染の収束は見通せず、兵庫県が緊急事態宣言の再延長を国に要請する中、コロナ対策の「切り札」と期待されるワクチンだけに、徹底した管理体制が求められる。(大背戸将)
「貴重なワクチンを無駄にしてしまうことになり、誠に申し訳ない」
24日夜、市健康局が記者会見を開き、215回分のワクチンが無駄になったことを謝罪した。
市によると、23日午後7時半頃、兵庫区役所の集団会場に設けられた薬剤室で、ワクチンを保管するための保冷庫の電源プラグが、ドラム型の延長コードから脱落していた。
庫内の温度は2~8度を維持する必要があるが、21度を示しており、中にあった215回分が使えなくなった。後日使うためのもので、この日接種できなくなった市民はいなかった。
延長コードは薬剤師や看護師が行き来する床の上に置かれており、足が引っかかるなどしてプラグが抜けた可能性がある。市は「接種会場の配線のレイアウトを再確認し、再発防止に努める」としている。
ワクチン接種を巡る市のミスはこれだけではない。
行政区単位の集団接種が始まった翌日の11日、配送業者が市内3か所の集団会場にワクチンを届ける際、保冷容器に入れたまま引き渡すべきところを、誤って容器から出した状態で届け、約2時間放置した。市と業者側の情報共有が不足していたためで、計960回分のワクチンを廃棄した。
16日には須磨区の会場で5人に誤って生理食塩水を注射していたことが判明。18日には北区の会場で空の注射器を1人に誤って注射している。
市は14日付で、管理業務を統括する「ワクチン管理監」を健康局に新設。局長級2人を含む計約50人態勢に強化したが、ミスに歯止めがかかっていない。
一方、市では25日から神戸ハーバーランドセンタービル(中央区)での大規模接種が始まり、31日からはノエビアスタジアム神戸(兵庫区)でも楽天などと協力して大規模会場を開設する。ミスが起きた時の損失が大きくなる可能性もあり、市健康局は「市民の命と健康を守る業務にあたっているという緊張感を持ち、速やかに、確実に、接種を進めたい」としている。
からの記事と詳細 ( ワクチン保管ミス続出、半月あまりで1200回分を廃棄…市担当者は平謝り - 読売新聞 )
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