◆東京五輪 野球 1次リーグA組 日本7ー4メキシコ(31日、横浜スタジアム)
野球日本代表「侍ジャパン」がメキシコを下し、連勝で1次リーグ(L)1位突破を決めた。日本は2日の準々決勝でB組1位の米国と対戦する。04年アテネ五輪日本代表コーチでスポーツ報知評論家の高木豊氏は、メキシコ戦を振り返った。
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侍打線の調子が上がってきた。動きもよくなった。硬さを取り除いたのは山田の3ランだ。メキシコの投手は先発も2番手もあまり低めに来なかった。ボールで誘ってくる投球もしない。高さに目が慣れてきたところで出た一発と言えた。
おそらく自分のアイデアだろう。甲斐がヒットを打つ前にセーフティーバントを試みるなど、上位打線につなぐ意識を見せたことも山田の3ランにつながった。選手が状況を見て、考えながらやっているのがいい。
3回の勝ち越し点もよかった。1死一、三塁で浅村が投ゴロ。普通なら三塁走者の坂本はスタートを切らない。ボテボテの当たりだから、併殺は取れないからだ。三塁に走者を残したい状況での走塁だったが、坂本は途中から挟殺プレーに持ち込んで走者を進めさせようとした。一瞬の走塁の変更が相手投手のミスを誘い、得点に結びついた。坂本はその直前、二塁走者として吉田正の三ゴロで三塁をうかがうそぶりを見せて三塁手を幻惑させ、送球ミスを誘っている。この辺がセンスの良さだ。
その坂本には一発も出た。左投手と当たることが多い今大会。ふところに来るボールが多く、外角の制球がよくない左腕が多い。フルカウントから、速い球に照準を合わせてうまく打った。打席での考え方や「国際試合のゲーム勘」が分かってきた。坂本はこれからもっと打っていくと思う。(04年アテネ五輪日本代表コーチ、スポーツ報知評論家・高木豊)
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