Dropbox Japanは7月29日、コロナ禍における人々のテクノロジー利用変化についての調査の結果を公表した。インターネットによる同調査の調査期間は2021年5月7日から9日で、対象は日本国内の18歳から69歳の男女2000名。同調査結果で、人々がコロナ禍でテクノロジーの便利さを再認識したこと、プライベートにおけるクラウドサービスの可能性がまだまだあることが分かった。
コロナ禍でテクノロジーの便利さを再認識
コロナ禍以前は、デジタルやクラウドサービスはほぼ業務の文脈で使用されていたが、パンデミックにより、テクノロジーの利活用は家やプライベートでの生活にも広がっている。
同調査によると、全体の63.8%、学生では84.2%の回答者が、コロナ禍がもたらした最も大きな変化のひとつとして「デバイスの便利さを改めて認識したこと」を挙げている。とくに学生層や20代、30代女性では、コミュニケーションや工夫して楽しむことの大切さ、リアルな体験の大切さなどを感じていることが判明した。
「リモート授業が普遍的になった大学生などを中心に、Dropboxといったクラウドストレージサービスの利用が増えている」と、Dropbox Japan アジア太平洋・日本地域統括ソリューション本部長 岡崎隆之氏は説明した。
またコロナ禍で問題視されているコミュニケーション不足の対策については、年代や、仕事かプライベートかなどで異なる傾向がみられた。
まず仕事に関しては、40代や50代の男性では他の年代に比べてメール(各37.3%、38.2%)や電話(各24.5%、25.8%)の活用が目立った。デジタル活用に慣れている20代や30代男性では、ビデオ通話システム(各42.4%、36.7%)やコミュニケーションツール(各32.3%、33.3%)が著しく、全体平均と比べて10ポイント以上高い結果が得られた。
一方プライベートでは、全体的にコミュニケーションツール(42.1%)や電話(32.6%)での代替が多い。中でも学生や20代以下の女性では、コミュニケーションツール(各53.8%、53.4%)、ビデオ通話システム(各36.5%、32.2%)、SNS投稿(共に21.2%)、オンライン飲み会(各23.1%、30.5%)と、全体と比べ10~17ポイント上回る項目が並び、デジタルを活用し、人とのつながりを維持する工夫が伺える。
Webサイトやアプリのパスワードの保管方法、5割が紙
同調査ではデータの活用に関する回答も得ている。まずデバイス活用の上で欠かせないデータのうち、「大切だ」と感じるものついての質問に対しては、「Webサイトやアプリのパスワード」(91.6%)が一番多く、「家族や友人知人の連絡先」(89.6%)、「写真や動画」(87.9%)と続いた。
また自分の大切な情報やデータの保管に関する質問については、「必要な時にいつでも保管した情報・データを閲覧・利用できること」(56.1%)や、「長期にわたって保管できること」(55.8%)などを重視する傾向が見られた(図8)。
一方で、大切なデータとして一番回答の多かった「Webサイトやアプリのパスワード」の保管方法としては、今のところ「紙に書き残す」(49.1%)や「自身で記憶する」(38.7%)といった従来のアナログな方法に止まっていることが分かったという。
また多くの回答者が、とくに写真や動画といった比較的容量が大きいと思われるデータについて、パソコンのハードディスク(45.9%)や、スマートフォンの内部ストレージに保存(62.7%)していることから、プライベートに関してはクラウド化が進んでいないように思われる。
クラウドストレージサービスを利用しているユーザーの目的は「バックアップ」(58.0%)や「データの保管」(40.4%)といった従来からの用途が依然として目立つものの、「データの共有」(30.6%)、「共同作業」(27.9%)、「ペーパーレス化」(16.7%)など、新しい用途に使用する層も出てきていることが分かった。
今後クラウドサービスは、個人が大切なデータを保管する用途だけでなく、「他者への共有」や「複数での共同作業」といった分野においても活用が進んでいくだろう。
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