徳島大は27日、医学部で所有する毒物のアジ化ナトリウム100グラムが入った容器を紛失したと発表した。保管庫を新調する際に担当職員が容器を取り出すのを忘れ、処分業者に渡ったとみられる。古い保管庫は既に処分されており、個人が直接摂取する可能性は低いという。大学は「チェック態勢が不十分だった」としている。 大学によると、アジ化ナトリウムは医学部の解剖実習で遺体の防腐液として使っている。8日に鉄製の保管庫にある毒物や劇物の数量を確認したところ、4月にはあったアジ化ナトリウム入りのプラスチック容器がないことが発覚した。 保管庫は5月に新調した。職員1人がセキュリティー管理されているエリアで毒物や劇物を新しい保管庫に移し替える際に、作業の途中で古い保管庫に鍵をかけて現場を離れた。別の職員が作業が終わったと勘違いして古い保管庫を屋外の廃棄場所に運び出した。移し替えの作業をしていた職員も全ての薬品を移動させたと錯覚し、発覚が遅れた。 大学は、廃棄した保管庫が、複数の業者によって裁断などの処分が終了しているのを確認。近く処分場所で改めて確認する。27日時点で業者から体調不良の訴えはない。 毒物や劇物を使う場合は管理簿に記入するなどして確認していた。しかし、保管庫から移動させるだけのケースは、現場の裁量に任せていたという。大学は「チェックシートや複数人による確認ができていなかった」として、今後、毒物や劇物は2人で取り扱い、管理簿への記入を二重で確かめる。 この日会見した野地澄晴学長は「過失により、このような事態が発生したことについて深くおわび申し上げる」と謝罪した。 アジ化ナトリウム ナトリウムと窒素の化合物で、白色無臭の結晶。水に溶けやすく、防腐剤や農薬の原料などに使用される。人が摂取すると、けいれんや呼吸不全などを引き起こして死亡するケースがある。致死量は1~2グラムとされる。1998年にはポットの湯などに混入する事件が相次ぎ、99年に毒物及び劇物取締法で毒物に指定された。
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