巨人・田口麗斗投手(25)とヤクルト・広岡大志内野手(23)の交換トレードが、1日に両球団から発表された。田口は過去に2年連続2桁勝利を挙げ、救援としても実績のある左腕。しかも開幕直前の同一リーグでのトレードとあって、驚きをもって受け止められた。
注目されたのは年俸格差だ。今季の年俸は田口が7000万円で、広岡が1600万円。その差は5400万円になる。開幕ローテ入りも狙える田口と、長打力を秘めているとはいえまだ主力級とはいえない広岡では、実績に差があった。
ではこうした格差トレードが行われた場合、高額な年俸の選手を放出した方が損かというと、そうとは言い切れない側面もある。
原監督は2月23日のヤクルトとの練習試合(浦添)でフロント首脳が話し合い、そこから5日ほどで交渉がまとまったと舞台裏を明かしている。これだけを見れば電撃トレードだが、実は原監督が3度目の監督に就任した2019年以降、球団内では田口がトレード候補に挙がっていると何度もささやかれてきた経緯がある。
田口は18年を2勝8敗、防御率4・80で終えた後、19年から救援に転向し、55試合で3勝3敗、防御率4・13。20年は先発に再転向して開幕を迎えたが、10月からはまた救援に配置転換となり、5勝7敗、防御率4・63でシーズンを終えた。首脳陣は何とか活躍できる環境がないか、先発と救援で試行錯誤しながら、可能性と結果をじっくりと見定めてきた。
その間に左腕では先発に今村、高橋が台頭。若手の横川、井上も控えるようになった。救援では中川、高梨、大江、高木がおり、ポジション争いは激化の一途をたどっていた。
昨年、1億4750万円の格差トレードでロッテに移籍した沢村の場合も同様だった。やはり19年以降に先発、救援を行き来しながら、最終的には原監督の「プロ野球選手は夢追い人」「飼い殺しはしない」との方針のもと、移籍が決まった。
環境が変わればくすぶっていた才能が開花する可能性があるという意味では、トレードは選手にもメリットがあるともいえる。単純に実績や年俸だけで得か損か語れないところに、編成の奥深さがある。(伊藤昇)
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