東京電力は二〇三二(令和十四)年度までに、福島第一原発で使用済み核燃料を空冷で地上保管するための乾式キャスク仮保管設備を増設し、全ての使用済み核燃料を高台に保管する。東電が二十五日、今後十二年間の詳細な作業工程をまとめた「廃炉中長期実行プラン」を改訂し、公表した。 福島第一原発には1号機、2号機、5号機、6号機に計三千七百九体の使用済み核燃料がある。3、4号機からの搬出は既に終えている。 各原子炉建屋からの移送先となる別建屋の共用プールには二十五日現在、六千六百七十一体の使用済み核燃料が保管され、使用率は99・1%で空き容量は六十三体分しかない。構内にある乾式キャスク仮保管設備の使用率は51・3%で、空き容量は千九百三十二体分にとどまる。 現状の施設では全ての核燃料を保管できないため、構内の海抜三十五メートルの高台に計二万千平方メートルの敷地を確保し、新たな乾式キャスク仮保管設備を増設する。ただ、敷地は逼迫(ひっぱく)しており、核燃料の最終的な処分先は依然として決まっていない。
◇ ◇ 東電が二十五日に公表した実行プランには原子炉建屋の格納容器に残る制御棒などの高線量機器の取り出す計画を盛り込んだ。 格納容器には制御棒や放射線量計測装置など高線量の機器が残る。このため、東電は3号機で二〇二二年度から取り出しに着手する。二〇二六年度以降、4、2、1号機の順に作業を進める方針。
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