甲子園球場で開催中の第93回選抜高校野球大会で、投手の「球数制限」を巡り、組み合わせ結果が改めて注目を集めつつある。春夏の甲子園大会では初めての実施となるが、初戦の日程が遅い学校が不利になるためだ。31日の準決勝では、最も遅い6日目に1回戦を戦った中京大中京(愛知)の投手が初めて制限にかかる可能性も。投手起用の駆け引きも見所となりそうだ。 【動画】ボトルキャップで野球を! キレ味のある様々な変化球も
球数制限は障害予防として昨春、取り入れられた。投手は直近1週間の球数の総数が500球に達すると、その打者を最後に降板しなければならない。
この決まりのため、準決勝進出校の中で、難しい状況にあるのが中京大中京だ。畔柳(くろやなぎ)亨丞(きょうすけ)投手は初戦(25日)の131球を始め、3試合で計379球を投じた。このため、1回戦から7日目で迎える準決勝は121球に収めなければならなくなった。
終盤のもつれた場面で制限にかかる可能性もある。遅くに初戦を迎える日程になったために、同校は抽選結果を踏まえ、5人の投手をメンバー登録しており、高橋源一郎監督は「畔柳でいけるところまでいくか、他の投手を先発させて畔柳に代えるか。継投を視野に入れたい」。畔柳投手も「打たせて取る投球を心がけたい」と話している。
対照的なのが、天理(奈良)の達(たつ)孝太投手。3試合で畔柳投手より80球も多い計459球を投げたが、中村良二監督は動じない。それもそのはず。初戦が2日目の20日だったため、準決勝の31日は1回戦の161球が対象外となるからだ。残りは202球。決勝では2回戦(134球)も対象から外れ十分な余裕がある。達投手自身、「マウンドは誰にも譲らない」と力を込める。
日本高校野球連盟は球数制限について、3年間を試行期間とし、その後ルール化するとしている。
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