Thursday, May 13, 2021

<新型コロナ>大災害で停電が起きたら…超低温保管のワクチンはどう守る?静岡県東部の自治体に聞きました - 東京新聞

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ワクチンを保管する冷凍庫(右)と停電時に電力を供給する蓄電池=沼津市で(市提供)

ワクチンを保管する冷凍庫(右)と停電時に電力を供給する蓄電池=沼津市で(市提供)

 静岡県内でも高齢者への新型コロナワクチン接種が本格化し今週以降、市町に向けワクチンが大量配布される。今は予約の混乱などが大きな問題だが、供給が増え気温も上がると、気になるのが超低温での保管が必要なワクチンの管理だ。もし大災害で停電などが起きた場合、市町は貴重なワクチンをどう守るのか。その対策を取材した。 (渡辺陽太郎)

 国内で配布されている米ファイザー製のワクチン。マイナス六〇〜九〇度なら半年、同一五〜二五度で最長十四日間保管できる。各市町は、国から供給された冷凍庫を使い、期限と接種日を考慮した日程を組んで保管している。

 だが、もし停電などですべての冷凍手段が失われれば、品質を維持できず廃棄される恐れがある。無駄にしないためには「二時間以内に(ワクチンを薄める)希釈、そこから六時間以内の接種が必要」と三島市の担当者は話す。

 とはいえ、大勢の高齢者に短時間に接種に集まってもらうことなどはできない。このため同市は、自家発電機で二日間は電力供給を続けるという。

 沼津市は冷凍庫に蓄電池を接続している。停電の場合、五〜七時間は蓄電池から供給、その間に自前の発電機を冷凍庫につなぎ、数日間もたせる計画だ。

協定を結んだ沼津市の頼重秀一市長(左)と東京電力パワーグリッド静岡総支社の渋井慶次郎総支社長=沼津市役所で

協定を結んだ沼津市の頼重秀一市長(左)と東京電力パワーグリッド静岡総支社の渋井慶次郎総支社長=沼津市役所で

 富士市や河津町は、地元石油販売業者と協定を結んでいる。停電が長期化しても、発電機の燃料供給を受け、超低温を維持する。河津町の担当者は「(町内に)接種をできる医療従事者は少なく緊急時にすべてのワクチンを使い切るのは不可能。(停電による)廃棄は絶対に避けたい」と話した。

 国はワクチン配布を前に、県を通じ各市町の発電機の所有状況を確認した。県によると、発電機を持たない市町には、国が自動車のシガーソケットを電源にできる携帯型冷凍庫を貸し出したという。県も携帯型冷凍庫と保冷剤を確保しており、担当者は「長期間の全県停電とならない限り大丈夫だ」と話した。

 沼津市は、電力会社にも協力を求めた。十日、県東部二十市町に電気を送る東京電力パワーグリッド静岡総支社(同市)と、災害時の停電の早期復旧で連携する協定を結んだ。市は早期復旧が必要な施設などを伝え、東電は市の最新情報を基に、作業を行う。

 締結式で頼重秀一市長は「ワクチンは温度管理が重要。災害対応に加えコロナ禍の今、心強い」と語った。

 東電は同市を含む東部十三市町と同様の協定を締結済みで、年度内に残り七市町と県との締結が目標。渋井慶次郎総支社長は「ワクチン保管場所へのケアも、しっかりしていきたい」と話した。

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