阪神中谷将大外野手(28)とソフトバンク二保旭投手(31)の交換トレードが2日、両球団から発表された。セ首位の阪神は中継ぎが不足。4年連続日本一を狙うソフトバンクは故障者が多く、打線強化が急務で、両者の思惑が一致した。
05年以来16年ぶりのリーグ優勝を狙う阪神は1日も守護神スアレスが今季初黒星を喫するなど、フル回転してきたリリーフ陣の再編を迫られている。岩貞が本調子ではなく、勝ちパターンの小林が6月に故障離脱。本来先発の藤浪、斎藤、2年目左腕及川などを配置している。
二保は先発、中継ぎのどちらもこなせ、起用法も幅広い。15年は自己最多の44試合、18年も35試合と中継ぎで活躍。19年からは先発となり昨季は開幕ローテーションにも入った。今季は1軍で2度先発し0勝1敗、防御率4・76だが、2軍では11試合登板、10試合に先発し4勝1敗、防御率2・57と安定している。動くクセ球と強気の攻め、経験の豊富さで阪神投手陣の大きな戦力となることが期待される。
二保は「また一からの出発だと思って頑張ろう、という前向きな気持ちです。育成から始まり、13年間もやれると思っていませんでしたが、スカウトの方をはじめ、監督、コーチ、選手、スタッフの皆さん、そしてファンの皆さんのおかげでここまでやってこれています。これから新しいチームで活躍する姿を見せて、その恩を返していければと思っています。ホークスとはライバルになりますが、交流戦や日本シリーズで投げるのを楽しみに頑張りたいです」と球団を通じコメントした。
中谷は今季はドラフト1位佐藤輝の加入などで、今季ここまで1軍での出場はない。2軍では59試合に出場。打率2割6分6厘、5本塁打、26打点。17年は1軍で自己最多の133試合に出場し20本塁打を放っている。ソフトバンクはデスパイネ、グラシアル、バレンティンと故障や不調で右の大砲を欠く状況。右の野手は不足しており、28歳の中谷が地元福岡で再び輝けるチャンスも多い。
中谷は「全国のタイガースファンのみなさま、そして阪神タイガースに携わっていらっしゃるすべての関係者のみなさま、これまでたくさんの応援をしていただきありがとうございました。入団してから11年間タイガースにお世話になり、本当に感謝の気持ちしかありません。福岡ソフトバンクホークスに移籍しても、成長し、元気な姿をひとりでも多くの方に届けられるように頑張っていきます。11年間、本当にありがとうございました」と球団を通じコメントした。
◆二保旭(にほ・あきら)1990年5月18日、福岡県生まれ。九州国際大付から08年育成ドラフト2位でソフトバンク入団。4年目の7月に支配下登録され背番号「123」から「13」へ。15年は44試合登板。16年に右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術を受け、18年に1軍復帰。19年からは主に先発として投げている。通算109試合、12勝11敗1セーブ、9ホールド。防御率4・32。182センチ、75キロ。右投げ右打ち。
◆中谷将大(なかたに・まさひろ)1993年(平5)1月5日、福岡・小郡市生まれ。福岡工大城東から10年ドラフト3位で阪神に入団。2年目の12年に1軍デビュー。17年は自己最多133試合に出場し20本塁打。通算423試合、打率2割3分。37本塁打、136打点。187センチ、94キロ。右投げ右打ち。
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