東京オリンピックが開幕するのを前に、最も早い競技として21日からソフトボールの予選リーグが行われました。
大事な初戦の先発を務めたのはエース 上野由岐子投手。
13年前の北京大会で、日本を悲願の金メダルに導いたエースも試合翌日の22日には39歳となります。
ソフトボールは3年後のパリ大会で行われないことから、上野投手にとっておそらく最後となるであろうオリンピックに「ソフトボール人生をすべてこの大会にぶつけていきたい」と連投も辞さない覚悟を示しました。
修正力の高さ
東京オリンピックを通じて最初の試合で、ソフトボール日本代表は3本のツーランホームランなどでコールド勝ち。先発したエース 上野由岐子投手は13年ぶりの大舞台で立ち上がり苦しみましたが、修正力の高さを見せました。
上野投手
「13年ぶりという感傷よりも、わくわく感が大きすぎた。興奮しすぎないよう抑えたことで1回は丁寧に投げすぎてしまった」
上野投手は1回、フォアボール1つ、デッドボール2つを出すなどコントロールを大きく乱し、先制点を与えました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で国際大会がおよそ2年間開催されなかったため、チームとしてこれまでに積み上げたデータをふだんより重視。長打力が持ち味のオーストラリア打線に対し、コースに慎重に投げ分けるピッチングを心がけました。
その結果、厳しいコースがボールと判定されたり、デッドボールになったりしてみずからを追い込むことになりました。
それでもベテランならではの修正力で、2回以降は大胆に攻めるピッチングに切り替えたことが立ち直れた原因だと分析しました。
2回には3者連続三振を奪うなど5回1アウトまで投げて、7つの三振を奪い、13年間の空白を経てさらなる成長を示しました。
宇津木監督 先発・上野の理由
宇津木麗華監督が初戦の先発を上野投手に任せると決めたのは21日朝になってからでした。
監督就任後、5年間育て上げてきた藤田倭投手に託すのか。それともエースに任せるのか。宇津木監督は最終的に上野投手に決めた理由を次のように表現しました。
「20年間以上、上野に投げてもらった。いや投げていただいた、が正しいかもしれない。上野がいて優勝という夢がかなってきたことを考えると最初のスタートはやっぱり上野しかいないと思った」
競技を続けるか悩んでいた時も上野投手をそばで支えてきた宇津木監督。久々のオリンピックでのピッチングを見てこみ上げるものがあったと振り返りました。
宇津木監督
「上野がサークルに立ったとき、心の中ですごくうれしく涙もあって。自分自身が上野の成長を18歳からここまでずっと見てきた。感無量、うれしい」
“上野勝負”
日本代表のピッチャーは3人。残る5試合の投手起用について元日本代表監督の宇津木妙子さんに聞きました。
「1つは上野勝負かなという感じがする。もちろん藤田もいるし後藤も今、調子が上がってきてるので2人の起用もカギだと思うが、上野はきょうを含めて6試合全部を投げるくらいの覚悟でやった方がいい。上野を中心に回していくんじゃないか」
ソフトボールは次のパリ大会では行われません。このため上野投手にとっておそらく最後となる3回目のオリンピック。22日、39歳の誕生日を迎えるエースは連投も辞さない覚悟ができています。
上野投手
「やっとこの舞台に帰って来られたという思いが私自身強い。ソフトボール人生をすべてこの大会にぶつけていきたい」
からの記事と詳細 ( 上野由岐子「ソフトボール人生をすべてこの大会に」 - NHK NEWS WEB )
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