Wednesday, August 4, 2021

被爆者の日記や活動記録 公的機関での保管望む声 広島 - NHK NEWS WEB

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広島に原爆が投下されて6日で76年になります。被爆者が一層高齢化する中、被爆体験をつづった日記や核兵器廃絶に向けた活動の記録など、個人が所有する資料を公的機関で保管してほしいと、被爆者の半数以上が考えていることがNHKのアンケート調査でわかりました。被爆者が生き抜いた証しともいえる貴重な資料を後世に伝えるため、対策を急ぐ必要があります。

NHKは、広島に原爆が投下されてから76年となることし、個人が保管する資料について被爆者50人にアンケート調査を行いました。

この中で、半数の25人が後世に残したい資料が「ある」と答えました。

具体的には、被爆体験をつづった日記や亡くなった家族の写真、それに、核兵器廃絶に向け国際会議で証言した記録などをあげています。

一方、原爆のことを忘れたいため、資料はすべて処分したと答えた人もいました。

資料の保管場所については、全体の62%にあたる31人が「公的機関」が望ましいと回答しました。

その理由については、
▽子や孫の世代では散逸や処分の可能性がある
▽個人で所有していても被爆の実態が伝わらない
▽温度や湿度が管理された環境で保管してほしい
といった意見が寄せられました。

望ましい公的機関については、回答した人の82%が「原爆資料館」をあげました。

これについて、原爆資料館の落葉裕信主任学芸員は「原爆資料館の収蔵場所も、いっぱいに近い状態で資料をどう保存していくかが課題だ。関係機関と連携、協力しながら検討しなければならないと思う」と話しています。

被爆から76年となる中、被爆者が生き抜いた証しともいえる貴重な資料を後世に伝えるため、保管場所の確保や活用する専門の人材を育成するなど、対策を急ぐ必要があります。

被爆者「資料こそが遺産として残る」

アンケートに回答した1人、豊永恵三郎さん(85)は、9歳の時に被爆し、長年、韓国やブラジルなど、海外に住む被爆者の支援を続けてきました。

海外の被爆者からの手紙や、被爆体験を聞いた子どもたちからの感想文などを大切に保管しています。

豊永さんは「資料を残しておかないと、戦争や核兵器がなくなるようにと、ずっと語ってきたことが消えてしまう。私たち被爆者もそんなに長くは生きていないが資料こそが遺産として残る」と話していました。

被爆者が亡くなったあと、家族が資料を処分するケースもあるということで、豊永さんは「個人で資料を残すのは難しい。残しておけば、若い人や原爆の問題に関心がある人が利用し、後世に伝えることができる。被爆者が生きている間に、何らかの形で保管してもらいたい」と訴えています。

専門家「永遠に代えがたい記録 保管の体制づくりを」

資料の保存や公開について研究する「アーカイブズ学」が専門で、被爆に関連する資料に詳しい、広島大学原爆放射線医科学研究所の久保田明子助教は「時間がたってから資料を分析すると、物事の異なる側面が見えてくる可能性が高く、原爆を体験をした人の記録は永遠に代えがたい記録だ」と話し、被爆者個人が持つ資料の重要性を指摘します。

こうした資料の保存について、久保田助教は、まずは被爆者の希望を聞く窓口を設けたうえで「資料を計画的に整理して保存することや運営資金のことなど、大きな問題を解決しなければならない」として、資料の保管に向けた体制づくりを急ぐ必要があると話しています。

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