Saturday, July 30, 2022

【指定廃棄物の行方】3市町保管場所課題に 建設計画膠着|社会|下野新聞「SOON」ニュース|下野新聞 SOON(スーン) - 下野新聞

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 放射性物質を含む指定廃棄物問題で、環境省が塩谷町上寺島の国有林を処分場(長期管理施設)の詳細調査候補地に選定し、30日で8年が経過する。県内6市町で農家が一時保管している指定廃棄物の暫定集約については那須塩原、那須、日光の3市町が集約先を決定し、那須塩原は集約、焼却を開始した。一方、処分場の計画は地元の反対を受け膠着(こうちゃく)したまま。下野新聞社が6市町の首長に実施したアンケートでは、4市町が処分場への賛否を明らかにしなかった。

 県内にある指定廃棄物は3月末時点で1万2208トン。このうち那須塩原、大田原、日光、矢板、那須、那珂川の6市町の農家が保管する稲わらなどの農業系廃棄物は2784トンある。

 那須塩原市内の農家が保管する指定廃棄物は「那須塩原クリーンセンター」に順次搬入され、放射能濃度が基準値(1キログラム当たり8千ベクレル)以下のものを指定解除し、1月に焼却処理が始まった。6月末時点で農家53戸のうち33戸からの搬出を終えた。

 那須町では3月、民有地に保管施設を整備し、暫定集約することで同省と合意。日光市では4月、集約先が「市クリーンセンター」に決まった。集約後の処分方法が決まっているのは那須塩原市のみで、焼却施設のない那須町は減容化が課題となっている。

 アンケートでは、暫定集約先が未定の3市町がいずれも、保管場所の選定を課題に挙げた。集約先確保の見通しについて斎藤淳一郎(さいとうじゅんいちろう)矢板市長は「早期に決定する」と答え、「公有地をはじめあらゆる可能性を検討中」とした。

 相馬憲一(そうまけんいち)大田原市長は時期を「未定」とした上で、減容化の方法は「乾燥圧縮が望ましい」と回答。福島泰夫(ふくしまやすお)那珂川町長は「国が責任を持って処理すべきだ」と改めて強調した。

 処分場の候補地選定を巡り、塩谷町は「白紙撤回」の立場を堅持。指定廃棄物を最終的に県内1カ所(処分場)に集約する国の方針について、平山幸宏(ひらやまゆきひろ)那須町長は賛成の立場から「国の責務で行うべきもの」と指摘。反対とした斎藤矢板市長は、東京電力を想定し「排出責任者の原則を徹底する中で最終処分されるべきだ」とした。他の4市町は明言を避けた。

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