感染症のコレラが日本に入ってきたのは、19世紀といわれる。江戸末期から、明治、大正、昭和にかけて何度か流行を繰り返したコレラは当時、漢字で「虎列刺」と書かれることがあった。その表記からも恐ろしさが伝わってくるようだ
▼福島市の県立図書館に「明治十五年虎列刺病流行紀事」という当時の公文書をとじた小冊子がある。県が編さんしたもので、コレラが県内で流行した進路や患者数などの詳細を記録した。冒頭には「将来予防ノ参考ニ供セントス」と編さんの目的が記されている
▼郡山市は、公文書を適正に保管していくための指針作りに着手した。資料として価値の高い公文書を残していくため、これまでは各部局によって対応が分かれていた公文書の取り扱いのルールを統一する
▼東日本大震災をはじめとする災害や、新型コロナウイルスなど度重なる災厄への対応を記した公文書は増え続けている。一方で、保管の在り方に頭を悩ませている自治体は多いという
▼その時代を生きた人々の知恵や苦労が詰まった公文書は「歴史の証人」と言えるだろう。いまに続く過去を問いただし、将来に貢献する貴重な遺産として次代に正しく引き継いでいかなければならない。
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