部員2人が寮内で大麻を使用する不祥事が起きた東海大硬式野球部の安藤強監督(56)が辞任することが24日、分かった。同日に大学側に申し入れ、了承された。近日中に発表される見通し。96年のアトランタ五輪代表で「ミスター社会人」と呼ばれ、今年3月に就任した西郷泰之コーチ(48)も辞任を申し入れた。
大麻使用を巡っては21日、大学側が部員2人を無期停学、指導者を厳重注意処分としたと発表。ところが3日後、安藤監督は責任を取って辞任することを決めた。周囲には「学生たちのことを一番に考えた。(対外試合禁止処分が解かれる来年)1月17日に再出発できることになったので引責しようと思った。一OBとして、陰ながら応援していきたい」と話しているという。
東海大OBの安藤監督は社会人野球Hondaの監督として、09年に長野(現広島)らを擁して都市対抗を制覇。社会人日本代表監督も務めた後、17年2月に東海大監督に就任した。就任3季目となった18年春に5季ぶりの優勝を飾ると、19年秋まで4連覇。低迷した名門を再建し、海野(現ソフトバンク)らをプロに輩出した。
部員128人のうち、110人が暮らすグラウンド併設の寮内で部員2人が大麻を使用したことを認めていた。部内でも大麻使用の目撃証言が出るなど、管理が徹底されていなかったとして部全体の責任も問われ、日本学生野球協会から来年1月16日までの対外試合禁止処分を科された。
後任監督は未定。今後、伊藤栄治部長らが中心となって選定を行うとみられる。
【これまでの経緯】
▼10月9日 大学に「野球部員が寮内で大麻を使用している」と匿名で通報があり、大学は調査委員会を立ち上げて学内調査を開始。神奈川県警平塚署に相談。
▼同16日 平塚署と県警が大麻取締法違反容疑で寮の6部屋を家宅捜索。4年5人、3年1人が任意同行を求められ、事情聴取を受ける。
▼同17日 大学が会見し、複数の部員が寮内で大麻の疑いがある薬物を使用していたことが判明したとして、部を無期限活動停止にしたと発表。秋のリーグ戦の出場を辞退した。
▼同21日 大学が部員2人の大麻使用が確認され、東海大医学部付属病院で更生に向けた対応を開始したと発表。
▼12月11日 全日本大学野球連盟が審議委員会で、有期の対外試合禁止処分を日本学生野球協会審査室会議に上申することを決定。
▼同18日 日本学生野球協会が審査室会議で10月17日から来年1月16日まで3カ月の対外試合禁止処分を決定。
▼同21日 大学が大麻を使用した部員2人を無期停学、監督、コーチら指導者を厳重注意処分にしたと発表。
▽東海大硬式野球部 1964年創部。首都大学野球連盟に所属し、同リーグトップの73度の優勝を誇る名門で、全日本大学選手権4度、明治神宮大会を3度制している。巨人の原辰徳監督、菅野智之投手ら多くのプロ野球選手を輩出。グラウンドと合宿所の所在地は神奈川県平塚市土屋。
◆安藤 強(あんどう・つよし)1963年(昭38)12月27日生まれ、神奈川県出身の56歳。柳川2年時の80年にセンバツ出場。東海大から本田技研に入社。91年の引退後、マネジャーやコーチを務め、07年にHonda監督に就任。09年に都市対抗優勝。17年2月に東海大監督就任。18年春に監督としてリーグ初制覇を果たした。
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