阪神の矢野監督が劇的サヨナラ勝ちに感涙インタビューだ。真っ赤な目で会見場に現れ、こみ上げるものを抑えるのがやっと。「…ちょっと待ってください」と感情を整理しながら、必死で言葉を絞り出した。
「いや、えー…、感動しています。苦しかったですけどね。本当に一人一人が……」
途切れ途切れの返答に、この1勝がどれほど大きかったかが表れていた。0―3の9回1死からの逆転劇。スタメンを外れた佐藤輝が代打でつなぎ、そこまで凡退続きだった4番・大山が決めた試合は、感激屋の指揮官にはこらえきれない展開だった。
「1年間の中でいろいろありますけど、僕としては勝てない中でもやりきってくれていたのはすごくうれしかったですし、その中でも結果が……。僕自身、勉強になっていることですけど……」
前夜は宿敵巨人に1安打完封負け。この日も8回まで無得点と打線が最悪の状態だった中でもぎ取った勝利。「今日みたいな感動できるような試合が毎日できるわけじゃないけど、そういう思いで僕たちは戦っているんで」。悲願の優勝を狙うシーズンで、忘れられない1戦となった。
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