毎月給与の支払いとともに発行される「給与明細」をしっかりと確認・管理されているでしょうか。給与明細は雇用主から従業員に支払った給与の額と、健康保険や厚生年金保険料などの納付状況を証明する大切な書類です。 今回は意外と知られていない重要書類である給与明細が必要になるケースや適切に管理・処分するためのおすすめの保管方法などを解説していきます。
給与明細の使い道
給与は全額が支給されるわけではなく、所得税・住民税の源泉徴収や健康保険・雇用保険・厚生年金保険といった公的保険の保険料が天引きされ、従業員は残った金額を受け取っています。 この天引きされた保険料や税金は後に事業主から納付されていますが、まれに納付忘れなどのミスにより保険料や税金が未納となってしまう場合があり、従業員は保険料・税金の納付を求められてしまうことがあります。 こうしたミスが生じた際、保険料が天引きによって自身は支払っていることを証明するのに給与明細は有効となります。特に給与明細が重要となるケースとして、転職に伴い離職する際、離職票を添えてハローワークへ雇用保険の失業給付(求職者給付)を請求するシーンが想定されます。 離職票には勤務期間中の給与が事業主によって記入されており、その金額によって失業給付の金額が算出されますが、給与明細は離職票に記入されている給与が正しいものであるかを確認する重要な書類となります。 失業給付は転職活動期間の生活を支える資金源となりますので、正しい給付を受けられるように給与明細を保管しておき、金額に誤りがないかを自身で確認できるようにしておきましょう。
給与明細の保管方法
給与明細は賃金・収入に関するさまざまな証明に利用することができますが、利用できる期間には限りがあったり、保管期間が定められていたりする場合もあります。 例えば、未払い賃金に関する請求期間は5年間が限度となっていますし、確定申告で利用した場合は5年間の保管義務がありますので、最低でもこの期間は保管しておく必要があります。 この際、年度別にクリアファイルやレバーファイルなどに挟んで保管しておけば場所もとらず紛失予防対策にもなるほか、不用となった給与明細を処分する際に取り違えによって保管期間中であった給与明細を処分してしまうリスクを減少させることができます。
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