<東京オリンピック(五輪):野球・日本7-6米国>◇2日◇決勝トーナメント◇横浜スタジアム
稲葉篤紀監督(48)が今大会初のタイブレークを制した。延長10回表の無死一、二塁を守護神栗林が抑え、鏡映しの状況で裏の攻撃を迎えた。無死一、二塁。大砲の村上に代打栗原を送り、犠打を決めさせる。1死二、三塁で甲斐。米国は中堅手ロペスを二遊間に置き、内野手5人の前進シフトを取った。ゴロゴーは難しい。開幕戦のドミニカ共和国戦でセーフティースクイズを決め、警戒もされている。
甲斐と言葉を交わした。「拓也(甲斐)が『打って良いですか?』と言ってきたので『打っていいよ』(笑い)」。日本の主要国際大会のタイブレークは3戦目。稲葉監督も現役時代に出場した08年北京五輪で1次リーグ米国戦で敗れた過去がある。一方で指揮官で初陣を飾った17年アジアプロ野球チャンピオンシップの韓国戦は3点を奪われ、4点を奪い返し、ひっくり返した。この日の大舞台でも選手を信じ、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。
負けていれば敗者復活2回戦へ回っていた。金メダルへの迂回(うかい)を強いられる寸前で、3連勝で最短ルートに戻した。今大会出場なかった岩崎、千賀、大野雄、栗原を使い、備えもできた。次戦は宿敵韓国戦。勝てば悲願の金メダルに王手だ。「我々の日本の試合をしっかりやっていきます」。ぶれなく突き進む。【広重竜太郎】
◆日本代表のタイブレーク 主要国際大会では今回が3度目。08年北京五輪1次リーグの米国戦では、0-0で延長に突入し、延長11回から実施。先攻の米国が岩瀬から3連打などで4得点。日本は3番青木からの攻撃が2点止まりで2-4で敗れた。17年WBC2次ラウンドのオランダ戦は、6-6で延長に入り、延長11回から実施。先攻の日本が中田の2点適時打で勝ち越すと、牧田がオランダの攻撃を3者凡退に抑え、8-6で逃げ切った。
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