デル・テクノロジーズ株式会社は27日、学校法人学習院(以下、学習院)が、スケールアウトストレージ「Dell PowerScale」をはじめとしたデル・テクノロジーズのインフラソリューションにより、学内の計算機システムを刷新したと発表した。
学習院では、附属校も含めた全学情報インフラを学習院大学内の計算機センターに構築・運用管理しており、教育研究用途だけでも、教職員向けが1500台、実習室向けが2000台、合計3500台ものPCの運用管理を行っている。このため、蓄積されるデータ容量への対応において、多くの運用管理負担を強いられていたとのこと。
旧ストレージでは、1つのファイルシステムの上限が16TBで、データが収まり切らなくなるたびに複数のファイルシステムにユーザーを分けるなどの作業が煩雑だったほか、セキュリティ面でも改善の余地が残されていたため、システムの再構築を検討。新たなストレージ製品の導入に着手した。
そして、ファイルサーバー用途の新たなストレージ選定にあたっては、大容量かつ高性能、高信頼性を兼ね備えていること、1つの領域がCIFS/NFSの両プロトコルに対応していること、アクセス権限などの設定が柔軟に行えることなどの要件に合致するスケールアウトストレージとして、PowerScaleが採用された。
PowerScaleは容易なスケールアウトが可能な特徴を持ち、データ量が増加した際にも、以前のようにユーザーを分けるする必要はないため、運用管理の負担を削減可能。ストレージの容量も、400TBから600TBへと1.5倍に向上した。さらには高いパフォーマンスにより、ストレージ性能がボトルネックになることがなくなったという。
また、サーバールームのラックスペースを旧ストレージの約2分の1に削減できただけでなく、PowerScaleの圧縮・重複排除機能「SmartDedupe」を活用して、データ容量を40%削減できたとした。
こうした効果により、将来的なマイグレーションが容易になった点もメリット。さらに、PowerScaleがデータを自動再配置してくれるため、作業的には新規ノードの追加と既存ノードの撤去だけで済むようになり、手間と時間を要するデータコピーは不要になっている。
その他の取り組みとしては、メールスプール/仮想化基盤用ストレージ用に、ユニファイドストレージ「Dell Unity XT380」を導入し、高性能、高い信頼性を確保した。さらに、バックアップストレージの改善のために「Dell Avamar」と「Dell PowerProtect DD」も導入し、ランサムウェアをはじめとしたサイバー攻撃のリスクも考え、非同期バックアップ環境を構築。筐体間レプリケーション機能を用いたデータ保護も行うようになった。
なお今回のプロジェクトでは、約3500台のPC/シンクライアント端末と十数台のサーバーについても、すべてデル・テクノロジーズ製品で統一されたとのこと。
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