Saturday, April 27, 2024

「HDDがデータセンターから消える」という途方もない話の末路 - TechTargetジャパン

superselebbanget.blogspot.com

 データセンターは大量のデータを保管する役割を担っている。そこでは「SSD」だけではなく、「HDD」など大容量のデータ保管に適したストレージが使われているのが一般的だ。ただし、SSDの容量単価が下落する傾向が続けば、“SSDのみ”でデータセンターを設計するというアイデアはより現実味を帯びてくることになる。

 熱烈なSSD支持者は、データセンターでHDDを一切使わないことに幾つもの利点を見いだしている。SSDでHDDの役割の全てを代替することは本当に可能なのか。HDDにはどのような末路が待ち受けているのか。

併せて読みたいお薦め記事

駆逐するSSD、生き残るHDD


 「オールフラッシュデータセンター」というアイデアは以前から存在する。オールフラッシュデータセンターは、SSDなどのフラッシュストレージのみを使い、HDDやテープといったSSD以外のストレージを一切使わないデータセンターだ。

 このアイデアは、SSDにかかるコストが減少傾向にあることが原動力となっている。例えば1つのメモリセル(データの記憶素子)に1bitではなく複数bitを格納する多値化という手法がある。1つのメモリセルに4bitを格納する「クアッドレベルセル」(QLC)のような技術が使われるようになり、SSDによるデータ保管のコストを以前よりも抑制できるようになってきたのだ。

 SSDのI/O(データの入出力)が他のストレージよりも総じて高速になるという特性も、オールフラッシュデータセンターのアイデアを後押しする要素の一つになっている。蓄積したデータを活用して大規模なデータ分析を実行したいという企業のニーズが強くなるにつれ、I/Oをできるだけ高速にする重要性が増している。

 そうしたデータ分析に使用するデータには、あまり頻繁には使用しないデータが含まれる。そうしたデータは従来、頻繁に利用するデータ(ホットデータ)とほとんど使わないデータ(コールドデータ)の中間的な位置付けである「ニアライン」のHDDに保存されてきたものだ。そのストレージをSSDに置き換えることができれば、AI(人工知能)技術による大規模なデータ分析がしやすくなり、データから新たな洞察や価値を引き出せるようになる、というのがオールフラッシュデータセンター支持者の見方だ。

HDDが消えることはあり得るか

 「HDDに間もなく終わりがやってくる」という主張を支えているのは、QLCを採用するなどして1台当たりの容量が増大したSSDの存在だ。QLCがHDDの役割を置き換えていくことは十分に起こり得ることだが、必ずしもHDDの用途の全てでQLCが使われるわけではないとみるアナリストもいる。そうしたアナリストの見方では、QLCがさらに普及しても、HDDは一部の用途では使われ続ける。

 世界に存在するさまざまなデータの大部分は、いまだにHDDの中にある。その全てをSSDに移行するには、それだけのSSDが必要になる。この視点も、“HDDが消える日”がなかなかやってこない理由の一つになるだろう。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 「HDDがデータセンターから消える」という途方もない話の末路 - TechTargetジャパン )
https://ift.tt/znvw04J
Share:

0 Comments:

Post a Comment