コンテナがIT業界を席巻している。その魅力は抽象化にある。つまり、コンテナを使えば実行基盤からアプリケーションを切り離すことができる。
当然、ソフトウェアにはハードウェアが必要だ。だがKubernetesなどのコンテナオーケストレーションツールを介してコンテナを使えば、オンプレミスでもクラウドでもアプリケーションを実行できる動的な環境を構築できる。コンテナとコンテナオーケストレーションツールには、自動化を活用して素早くアプリケーションを作成、管理、拡張、停止するのに必要なあらゆるものがそろっている。
前編(Computer Weekly日本語版 4月15日号掲載)では、Kubernetesにおけるストレージの基礎を確認した。本稿では「Rook」を使ってストレージを扱うもう一つの方法を紹介する。
RookはKubernetesクラスタからストレージのプールを作成する機能を提供し、さまざまな種類の永続ストレージをオーケストレーションする。本稿執筆時点のRookのバージョンは1.2だ。
Rookの目的は、ハードウェアメーカーのストレージアレイやクラウドプロバイダーのストレージなどと連携することではない。理論的には任意のストレージアレイをストレージとして使えるが、本質はそこではない。ストレージアレイに投資する場合、コントローラーの価値に費用を支払うことになる。そうした価値をRookが提供するため、ストレージアレイに費用をかける意味はなくなる。
Rookは基本的にはソフトウェア定義のコンテナ化ストレージソリューションで、ハイパーコンバージド(同じノード内に全てをまとめた)ストレージまたはハイパースケールストレージを提供することを目的とする。
Rookは当初「Ceph」のコンテナ化と管理の手段として作成された。CephはRed Hatによって開発されたオープンソースのブロック、ファイル、オブジェクトのソフトウェア定義ストレージだ。EdgeFSをはじめとするさまざまな種類のストレージのコンテナ化にも使える。EdgeFSはオブジェクトストレージをベースとするグローバルファイルシステムだが、ブロックやファイル、「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)のアクセス手法も提供する。Amazon S3互換のオブジェクトストレージサーバ「MinIO」を使っているかのように、NFS(Network File System)サーバにアクセスすることも可能だ。
Rookは「Apache Cassandra」や「CockroachDB」(Cockroach Labs)などのNoSQLデータベース、「YugabyteDB」(Yugabyte)といったクラウドネイティブな分散SQLデータベースへのアクセスもサポートする。
Rookはストレージクラスと参照元PVC別にグループ分けし、厳選したストレージをコンテナに配置してクラスタ管理を実現する。それにより、スケジューリング、デプロイメント、ブートストラップ、構成、拡張、負荷分散、災害復旧などのタスクを自動化する。
Rook運用の鍵はKubernetesオペレーターにある。オペレーターはリソースを監視して、ストレージがストレージクラスの要件通り動作していることを確認する。そしてそれを確実にするためにストレージのブート、回復、クローン、保守を行う。
クラスタでRookを使い始めるには、ストレージプロバイダーに応じた幾つかの「kubectl」コマンドを使用する。
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May 14, 2020 at 06:00AM
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あらゆるストレージとデータソースをコンテナ化して統合する「Rook」の魅力(TechTargetジャパン) - Yahoo!ニュース
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