阪神・中谷将大外野手(28)とソフトバンク・二保旭投手(31)の交換トレードが合意に達したことが1日、分かった。早ければ、2日にも両球団から正式発表される。1日のヤクルト戦では3連投のロベルト・スアレス投手(30)が今季初黒星に沈み、巨人に4月29日以来となる2ゲーム差以内への接近を許した。72試合目を終えて折り返し。16年ぶりリーグ優勝へ投手陣の緊急補強に着手した。
水面下で進めてきた投手陣の再整備策が判明した。最近5試合連続で救援陣が失点するなど、現状での課題が浮き彫り。72試合を消化して首位を堅持し、激しさを増す今後の戦いを見据えて緊急補強に踏み切った。
白羽の矢を立てたのは、ソフトバンクの二保だった。昨季は初めて開幕ローテーション入りを果たすなど、12試合で計56回2/3を投げて4勝5敗。先発として一定の実績を持つ上、15年には44試合、18年には35試合に登板するなど中継ぎでの経験も豊富な人材だ。
13年目の今季は1軍2度の先発で未勝利ながら、ウエスタン・リーグでは11試合4勝1敗、防御率2・57の安定した投球を続けている。制球力も高く、即1軍戦力として見込めると判断した。
及川が逆転被弾して敗れた先月26日のDeNA戦では矢野監督が「現状あそこ(7回)が、なかなか固定できない。新しいカードはこれからも必要になる」と苦しい事情を吐露していた。スアレスはリーグトップの23セーブを誇り、セットアッパーの岩崎もリーグ2位の21ホールド。安定感のある8、9回とは対照的に「7回の男」が固まっていない。
藤浪、岩貞、馬場、及川らを試合展開に応じて起用する中、球団は以前から補強による増強策を模索。“新戦力”の獲得へ一気に動いた。特に来週6日からは今季初の9連戦が控える。巨人との直接対決もあり、前半戦のヤマ場と位置づける大型連戦を前に戦力整備に手を打った。
交換トレードでチームを離れることになる中谷は入団以来、未来の大砲候補と目されてきた。外国人選手や佐藤輝らの活躍もあって11年目の今季は1軍出場がない一方、17年には133試合出場で自己最多20本塁打。長打力に加え、年齢も28歳と若い。出番にさえ恵まれれば、力を発揮できる能力を備えている。両選手の出場機会を求める思惑が、両球団で一致した。
4月4日から首位を守る阪神にとって今季は05年以来のリーグ優勝を成し遂げる大好機。先発、救援の両方で柔軟な起用を見込める二保を戦力に加え、巨人を再び突き放す夏の戦いに備える。
◇中谷 将大(なかたに・まさひろ)1993年(平5)1月5日生まれ、福岡県出身の28歳。福岡工大城東から10年ドラフト3位で阪神入団。2年目の12年8月23日の中日戦でプロ初出場。17年に133試合で打率・241、20本塁打、61打点と活躍した。通算成績は423試合で打率・230、37本塁打、136打点。今季は1軍出場なし。1メートル87、94キロ。右投げ右打ち。
◇二保 旭(にほ・あきら)1990年(平2)5月18日生まれ、福岡県出身の31歳。九州国際大付から08年育成ドラフト2位でソフトバンク入団。12年7月に支配下登録され、9月13日の楽天戦でプロ初登板。16年の右肘手術を経て、18年10月に3年ぶりの1軍復帰を果たした。通算成績は109試合で12勝11敗1セーブ、防御率4・32。1メートル82、75キロ。右投げ右打ち。
《阪神優勝年に緊急補強あり》阪神は直近2度のリーグ優勝年にもシーズン途中のトレードがあった。03年は4月25日に橋本武広投手との交換でロッテから吉田篤史投手を獲得。05年は6月10日に沖原佳典内野手を放出し、楽天から前田忠節内野手が入団。ただ、移籍年に吉田は登板機会がなく、前田は代走と守備固めの3試合出場に終わった。
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