Saturday, July 13, 2024

島根半島に物資分散備蓄 県と松江、出雲両市 保管場所100程度確保へ - 山陰中央新報社

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島根県が物資を備蓄する広域防災拠点。島根半島で分散備蓄する態勢の構築が急務になっている=松江市乃木福富町

島根県が物資を備蓄する広域防災拠点。島根半島で分散備蓄する態勢の構築が急務になっている=松江市乃木福富町

 出雲市大社町日御碕地区が孤立するなど被害が相次いだ記録的大雨を受け、島根県と松江、出雲両市が島根半島に食料や飲料水などの生活物資を分散備蓄する態勢の構築を急ぐ。供給が滞る可能性がある集落を対象に、従来の1人当たり3日分(9食)に加え、2日分(6食)を現地で備蓄する計画。場所を確保した上で、遅くとも本年度中の備蓄開始を目指す。

 約150世帯が暮らす松江市美保関町美保関地区の戎谷省吾自治会長(70)が「人ごとではない」と危機感を募らせる。

 松江市街地方面に向けて通れる道は県道境美保関線しかない。地区内に備蓄はなく、孤立した場合は市中心部からの輸送物資に頼らざるを得ない。「道路整備だけでなく、住民が命をつなぐためには地区内で蓄えをしておくことが重要だ。今回の大雨を踏まえて早期に進めてほしい」と求める。

 1月の能登半島地震を受け、県は3月、従来の2日分(県民1日分、県0・5日分、市町村0・5日分)に加え、1日分(県0・5日分、市町村0・5日分)の確保を地域防災計画に追加。さらに半島部で道路が寸断して輸送が困難になる事態を想定し、県と両市で合わせて2日分を備蓄する計画を立てる。

 一方、備蓄場所の確保が課題だ。

 松江市は以前から、鳥取県沖合の断層地震(マグニチュード7・5)の発生時に避難を予想する約4万7400人の3食分に相当する14万2千食を用意している。備蓄場所は県の広域防災拠点(松江市乃木福富町)のほか、市総合体育館(同市学園南1丁目)や各公民館などいずれも中心部で、美保関、島根、鹿島、秋鹿、大野の半島部5地区にはない。

 市は5地区の自治会を通じて調査を進め、今月中に食料数や備蓄場所を決める方針。現時点で半島部の集落など約1万人の2日分に相当する計6万食の備蓄が必要とみており、保管場所は公民館や集会所を想定する。

 市防災危機管理課の高木賢一課長は「県を通じて日御碕の状況などを聞き、態勢構築を急ぐ」と強調。物資管理に向けた地域住民への協力要請や納めきれなかった物資の市支所での管理も進める考えだ。

 県によると、出雲市でも半島部の備蓄場所は決まりつつあり、松江、出雲両市でおおむね計100カ所程度が確保できる見通し。県防災危機管理課の加本純也課長は「今回の大雨で孤立対策の重要性を改めて認識した。対策を充実、強化し、分散備蓄の取り組みを進める」と話した。

 半島部の防災強化に向け、県と両市は中型や大型ヘリが発着できる地点の選定なども進める。備蓄品の購入費用を含めて県は本年度一般会計当初予算で6300万円を確保した。(佐々木一全、高見維吹)

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