農林水産省のまとめによると2021(令和3)年産米の相対取引数量は2月に大幅に増えて出回りからの契約数量は前年同期比で34.4万t増となっている。
2月の相対取引契約は46万tで昨年の18.3万t、一昨年の20.7万tにくらべて大幅に増えた。1年古米となった2020(令和2)年産米の販売が進み、2021(令和3)年産米へ需要がシフトした。
3月の相対取引契約数量は31.4万tで出回りからの契約数量は166.9万tと前年同期比で34.4万t増となった。
2020年産米については昨年10月に15万tの特別枠を設けて長期間、保管料を支援するなどで保管するほか、子ども食堂などへ支援にあてる対策を打ち出した。
農水省によると特別枠は事業実施主体の全農が17の集荷団体から12万tの申請を受け付けて事業を開始した。2020年産米はすでに長期間保管し販売する米穀周年供給事業を活用して10月までに販売することが決まった米が多く、結果として15万tの枠を活用せずに販売が進んでいる。
一方、2021(令和3)年産米については昨年11月から保管経費を支援する前倒し対策で26万tを保管する申請があったが、すでに3万tが販売され、保管されているのは23万tとなった。卸のニーズがあったためだという。
4月からの通常支援の仕組みで10月まで保管する2021年産は申請ベースで40万tとなっている。
特別枠対策が公表された昨年10月以降は、2021(令和3)年産米のスポット取引(中小規模の卸売業者間で行う10t~数10t程度の小ロット売買)価格は回復基調で推移している。たとえば、「北海道ゆめぴりか」は昨年の出来秋は1万3068円だったが、4月25日時点では1万4580円となった。
JA全農は2021年産の販売契約数量は210万tの計画だが4月末までに200万tを契約。残り10万tの契約に取り組む。全農系統の相対取引価格は1月末で底を打ち3月末は前年比105%と上向きだという。こうしたなか17県で追加払いを実施した。ただ、2021年産米の販売実績は前年比96%となっており、さらに消費拡大の取り組みが求められる。
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