Monday, March 27, 2023

文化庁の移転 地域文化を担う寺社や民俗芸能関係者は|NHK 京都府 ... - nhk.or.jp

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【文化財保管する寺院の期待は】
文化庁の京都への移転について、文化財を保管している福知山市の寺からは、「担当者には積極的に地域に繰り出して日々の仕事に生かして欲しい」といった声が聞かれました。

福知山市の観音寺は、奈良時代に開かれた歴史ある寺院で、去年、平安時代前期に彫られた、「木造不動明王立像」が国の重要文化財に指定されることが決まりました。
寺ではこの像をずしに入れて保管してきましたが、4年前に行われた調査で、立像の不動明王としては極めて古いと推定されたことをきっかけに重要文化財の指定を受けることになったということです。
今回の指定などを契機に、寺では所有しているほかの石像や古い書籍についても、あらためて価値を確かめたうえで保管することに取り組んでいて、平安時代に彫られたと見られる石仏については、専門家に詳しい調査を依頼しているほか、かつての修行僧が教科書として使っていた数百点の書籍は、見分けがつくように整理し、湿度の管理などを徹底しているといいます。
観音寺の小籔実英住職は、「文化庁の移転で貴重な文化財の管理や公開の仕方について、相談にのってもらいやすくなるのではないかと期待しています。また京都はさまざまな文化の中心で、文化庁の担当者には地域に繰り出して日々の仕事に生かして欲しいです」と話していました。

【無形文化遺産「六斎念仏」の団体は】
文化庁の京都への移転について、去年、ユネスコの無形文化遺産に登録された「風流踊」のひとつ、「京都の六斎念仏」を継承する団体は、移転が、地域に根ざした民俗芸能を多くの人に知ってもらう契機になればと期待を寄せています。

「京都の六斎念仏」は、太鼓や笛、かねなどを打ち鳴らしながら踊る民俗芸能です。
起源についてはさまざまな説があり、平安時代に僧侶がかねをたたきながら念仏を唱えたことがきっかけだとする説もあります。
京都市内では15の地区で伝承されていて、このうち、中京区の壬生地区に伝わる踊りを継承してきた団体は、4歳から75歳までの26人が参加し、夏の奉納に向けて練習を続けています。
口伝とまねて覚えることで受け継がれ、去年、ユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、担い手不足と継承への不安は常に感じているということで、文化庁の移転を機に地域に根ざした伝統芸能を多くの人に知ってもらい、さらなる継承につながればと期待を寄せています。
壬生六斎念仏講中の山根正廣 会長は、「京都に移転した文化庁が地方にさまざまな郷土芸能があることを知り、広く発信することで関心を高めてもらうとともに担い手の増加につながることを期待したい」と話していました。

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