米ネットアップ(NetApp)日本法人のネットアップは2023年7月27日、説明会を開き、同社製品における直近のアップデートを説明した。筐体の2重化で堅牢性を高めたSAN専用ストレージの新シリーズ「NetApp ASA」、可用性などの保証プログラム「NetApp Advance」の拡充、ストレージOS「ONTAP」のライセンス拡充、AIデータ基盤のためのリファレンス構成を発表した。
ネットアップは、同社製品における直近のアップデート状況として以下を紹介した。
(1)筐体の2重化によって堅牢性を高めたSAN専用ストレージ「NetApp ASA」シリーズ
(2)可用性などの保証プログラム「NetApp Advance」の拡充
(3)ストレージOS「ONTAP」のライセンス拡充。機能構成を改め、フル機能を利用する際に以前よりも安価に使えるようにした
(4)AIデータ基盤のためのリファレンス構成「NVIDIA AI Enterprise with NetApp」
2重化で可用性99.9999%をうたうSAN専用ストレージ
(1)NetApp ASAシリーズは、堅牢性/可用性を追求したSAN専用ストレージである。筐体とSANネットワーク経路をアクティブアクティブ構成で2重化することで、片方の筐体や経路がアクセス不能になった場合でも継続してストレージサービスを提供する。可用性を示す数値として99.9999%(年間で約32秒以下の停止時間)をうたう(写真1、図1)。
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堅牢性を必要とする主な用途として同社は、VMware vSphereを使ったサーバー仮想化環境やミッションクリティカルな業務などを挙げる。こうした用途に向くストレージ要件として、ASAはSAN/NAS統合ストレージではなく、FC(Fibre Channel)またはiSCSIインタフェースを持つSAN専用のブロックストレージとした。
可用性を保証する上位保守プログラム
(2)NetApp Advanceは、ストレージの上位サポートプログラムである(図2)。今回、堅牢性をうたうASA向けに、99.9999%の可用性を保証するプログラムを追加した。99.9999%を下回った場合には金銭補償を行う。
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また、ASAおよびオールフラッシュのSAN/NAS統合ストレージ「NetApp AFF A」向けに、ランサムウェア被害からのリカバリを保証するプログラムを用意した。管理者であってもバックアップデータを変更・削除できない設定を施し、必ずリカバリできることを保証する。リカバリできなかった場合は金銭補償する。
「金銭を補償しているから問題が起こっても安心(問題自体は起こるかもしれないし、起こることを前提としている)という意味ではない。金銭を補償しているくらい問題が起こらない(金銭は万が一の補償であって、実際には問題はまず起こらない)という意味だ」(ネットアップでチーフテクノロジーエヴァンジェリストを務める神原豊彦氏、写真1)。
●Next:新しいONTAPライセンスとAIデータ基盤のリファレンス構成
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