来年１月２、３日に行われる第９８回東京箱根間往復大学駅伝競走（箱根駅伝）を主催する関東学生陸上競技連盟は２９日、出場２１チームの区間登録を発表した。
２年連続８度目の優勝を狙う駒大は、花の２区に２年連続でエースの田沢廉（３年）を起用。前回は区間７位にとどまったが、今季は１２月に１万メートルで日本歴代２位＆日本人学生新記録の２７分２３秒４４をマークするなど、学生の枠を超えて日本トップクラスに成長した。２０年大会で東洋大の相沢晃（現旭化成）がマークした１時間５分５７秒の日本人最高、あるいは、前回大会で東京国際大のイェゴン・ヴィンセント（３年）がつくった１時間５分４９秒の区間記録を目指す力を秘めている。
田沢に次ぐ駒大の主力の多くは補欠に登録された。日本選手権１万メートル（５月）で３位になった準エースの鈴木芽吹（２年）、全日本大学駅伝（１１月）でアンカーとして競り勝ち、優勝の立役者となった花尾恭輔（２年）、出雲駅伝（１０月）と全日本大学駅伝の両レースで好走した安原太陽（２年）、いぶし銀の佃康平（４年）らは当日変更で勝負区間に投入されることが確実だ。
２年ぶり６度目の優勝を目指す青学大も２区にエースの近藤幸太郎（３年）を投入する。今季、５０００メートル（１３分３４秒８８）と１万メートル（２８分１０秒５０）でいずれも青学大新記録をマークした近藤はロードでも強さを発揮した。出雲駅伝では１区で学生３大駅伝初の区間賞を獲得。全日本大学駅伝ではエース区間の７区で駒大の絶対エース田沢と熱戦を演じた。タイム差なしでスタートすると、３キロ過ぎで離されたが、背中が見える位置で追走。日本人歴代トップのタイムをマークした田沢に１８秒後れを取ったものの、近藤も同歴代２位の好記録で走破した。レース直後、近藤は「田沢選手はシンプルに速かった。箱根駅伝では同じ区間は走りたくないですね」と冗談交じりに苦笑いで話した後「同じ区間になれば、次は１０秒差以内で。いずれは勝ちたい」ときっぱり。同学年の田沢に食らいつく覚悟だ。
青学大の注目は５区の若林宏樹（１年）。出雲駅伝４区６位、全日本大学駅伝６区１２位と奮わなかったが、上り坂を得意としており、箱根路でリベンジを期す。主将の飯田貴之（４年）、原晋監督が「駅伝男」と高く評価する岸本大紀（３年）と佐藤一世（２年）、伸び盛りのルーキー田中悠登らは補欠に登録された。
初優勝を狙う東京国際大は１年時には３区で、２年時には２区で区間新記録をたたきだしたヴィンセントを２年続けて２区に起用。駒大の田沢、青学大の近藤らとレベルの高い争いが期待される。日本人エースの丹所健（３年）は補欠登録され、当日変更で３区に投入されることが濃厚。１区の山谷昌也（３年）と含めてロケットスタートを図る。レース序盤は東京国際大が主導権を握ることが予想される。
初出場の駿河台大は、中学校体育教師を休職して編入学した３１歳の今井隆生（４年）が４区、今井の教師時代の教え子だった永井竜二（３年）が５区に登録された。おそらく箱根駅伝史上初となる「教師と教え子」の歴史的なタスキリレーは今大会の大きな見所となる。
箱根駅伝の選手登録は例年１２月１０日に１６人を選手登録。同２９日に１～１０区と補欠６人を登録する。往路、復路ともにスタート（午前８時）の１時間１０分前に当日変更が可能。ただ、変更は区間登録選手と補欠登録選手の交代だけで区間登録選手同士の変更はできない。前々回まで交代は往路、復路合わせて４人以内だったが、前回から６人以内に拡大された（ただ、各日４人以内）。主力選手を補欠に登録し、勝負区間に投入するなどの戦術的な変更も可能なため、各校の駆け引きや当日変更のドラマも箱根駅伝の見所のひとつ。前回から交代枠が拡大されたこともあり、東京五輪３０００メートル障害で７位入賞を果たした順大の三浦龍司（２年）、早大のエース中谷雄飛（４年）、国学院大の木付琳主将（４年）、藤木宏太（４年）、島崎慎愛（４年）、平林清澄（１年）、東洋大のスーパールーキー石田洸介ら各校の主力選手の多くが補欠に登録された。当日の区間配置が注目される。
前回覇者＆今季の全日本大学駅伝Ｖの駒大と、分厚い選手層を誇る青学大が２強と目される。順大、東京国際大、創価大、国学院大、も流れに乗れば優勝争いに加わる力を持つ。さらに早大、明大、東洋大も上位を狙う。優勝争いが激化することは必至だ。
関東学連は新型コロナウイルス感染防止対策として前回に引き続き「コース沿道での応援、観戦はお控えください」というメッセージを発信。シード１０校、予選会通過１０校とオープン参加の関東学生連合の計２１チームが新春の大舞台に臨む。
「２強」と目される駒大と青学大の区間登録は以下の通り（名前、学年、出身高校）。
【駒大】
１区 唐沢 拓海（２年）花咲徳栄
２区 田沢 廉 （３年）青森山田
３区 佐藤 条二（１年）市船橋
４区 大坪 幸太（３年）小林
５区 金子 伊吹（２年）藤沢翔陵
６区 篠原倖太朗（１年）富里
７区 新矢 連士（４年）星稜
８区 赤星 雄斗（２年）洛南
９区 山野 力 （３年）宇部鴻城
１０区 東山 静也（３年）高岡向陵
補欠 佃 康平（４年）市船橋
補欠 青柿 響 （２年）聖望学園
補欠 白鳥 哲汰（２年）埼玉栄
補欠 鈴木 芽吹（２年）佐久長聖
補欠 花尾 恭輔（２年）鎮西学院
補欠 安原 太陽（２年）滋賀学園
【青学大】
１区 湯原 慶吾（４年）水戸工
２区 近藤幸太郎（３年）豊川工
３区 太田 蒼生（１年）大牟田
４区 関口 雄大（３年）豊川
５区 若林 宏樹（１年）洛南
６区 高橋 勇輝（４年）長野日大
７区 宮坂 大器（３年）埼玉栄
８区 西久保 遼（３年）鳥栖工
９区 中村 唯翔（３年）流通経大柏
１０区 中倉 啓敦（３年）愛知
補欠 飯田 貴之（４年）八千代松陰
補欠 岸本 大紀（３年）三条
補欠 横田 俊吾（３年）学法石川
補欠 佐藤 一世（２年）八千代松陰
補欠 志貴 勇斗（２年）山形南
補欠 田中 悠登（１年）敦賀気比
からの記事と詳細 ( 箱根駅伝区間登録発表 駒大の田沢廉、青学大の近藤幸太郎、東京国際大のヴィンセントが２区で激突 - スポーツ報知 )
https://ift.tt/3Hb3UPE
スポーツ
0 Comments:
Post a Comment